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日経平均が暴落する危険性は全く消えていない

6/10(月) 5:30配信

東洋経済オンライン

 先週(6月3日~7日)は、主要国の株価が反発をみせた。アメリカ主導の株価の戻りだと解釈できるが、5月を通じて6月初まで株価下落が進んでいたため、いったんは反発してもおかしくはないところだった。特に6月4日の同国の株価は力強く、ニューヨークダウ工業株は前日比512ドル高と、今年2番目の上昇幅(今年最大は、1月4日の747ドル高)となった。

■アメリカの株価を上げた3つの「好材料」の本質は? 

 この日、株価上昇の材料とされたのは、次の3つだった。

 1)同日、ジェローム・パウエル連銀議長がシカゴでの講演で、「(米中貿易交渉などが)アメリカ経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目標に向けて適切な行動をとる」と語ったことが、将来利下げを行なう構えだと解釈された。
2)中国商務省の報道官が「貿易摩擦は対話によって解決すべきだ」との声明を出し、米中間の協議が進展するとの期待が広がった。
3)メキシコ政府高官が「移民と貿易問題について着地点を探せることを期待する」と語ったと報じられ、アメリカによるメキシコに対する追加関税の実施が回避できるかもしれないとの観測が浮上した。

 この3つの「好材料」については、実際に週末、メキシコに対する関税措置が無期限見送りになったように、全く的外れとも言い難い。だが、市場での期待が膨らみ過ぎると、はしごを外される恐れがある。

 まず連銀の金融政策だが、連銀内部で、最近の経済指標の軟化(まだそれほど悪くなっているわけではない)や市場動向の不安定さを踏まえ、警戒的な空気が広がっていることは事実なようだ。このため、早ければ6月18~19日のFOMC(連邦公開市場委員会)で先行き利下げが行なわれる可能性を連銀が示唆する、あるいは7月30~31日のFOMCで利下げが実施される、と見込む専門家もいるようだ。

 とは言っても、それは「連銀が、景気が悪化する前に利下げして不況を回避してくれるから、株価はほとんど下がらず上がるばかり」といった、虫のいい楽観論に沿ったものとはなるまい。後で述べるように、世界中で(アメリカでも)景気は着実に悪化しつつある。

 仮に7月に連銀が利下げを小幅行なうとしても、その時にはすでにアメリカの経済が後退期に突入する気配を明確にしており、それに対してわずか1回の利下げで景気悪化が止まるわけではなかろう。ある意味、経済の暗転を追認した利下げとなる形だが、金融政策とはそうした後追いになるものだ。

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最終更新:6/10(月) 5:30
東洋経済オンライン

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