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なぜ小売業者は、実店舗で「自社サイト」を宣伝するのか?

6/11(火) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

実店舗は死んでいない。だが、その使用目的は変わりつつある。在庫をフル活用するために、店内のサイネージを使って顧客をウェブサイトに誘導し、オンラインで買ってもらう──これがひとつのトレンドとなっている。

デニムブランドのメイドウェル(Madewell)は全店舗にサイネージを掲げ、顧客に「ウェブサイトでのショッピング」を促している。探しているスタイルやサイズが見つからない場合も、店員に注文すれば、欲しい商品が送料無料で翌々日に届くことになっている。

メイドウェルの担当者によれば、同ブランドはここ数年、自社サイトの品揃えの充実に合わせて、同サイトを宣伝するサイネージを店内に増やしてきたという。ウォルマート(Walmart)は、自社サイトを訪問して食料雑貨品を注文し、店に取りにくることを来店客に勧めている。デジタルネイティブのアパレルブランド、エバーレーン(Everlane)は、顧客がフルコレクションをもっと簡単にオンラインで見れるように、iPadを店内に設置している。

ギャップ(Gap)傘下の各ブランドは、さまざまなオムニチャネルサービスを提供している。ギャップとアスレタ(Athleta)、バナナリパブリック(Banana Republic)が提供するのは「リザーブ・オンライン、トライ・インストア(オンラインで予約して、実店舗で試着)」サービスだ。一方、オールドネイビー(Old Navy)は昨年、全米展開に先駆けて、「バイ・オンライン、ピックアップ・インストア(BOPIS:オンラインで買って、実店舗で受け取り)」サービスをテストした。

変わるショッピングの定義

小売各社にとって、ウェブサイトと実店舗の多様なバリュープロポジションを強調するメリット(ウェブサイトは商品のセレクションが幅広い。それに対して実店舗では、顧客は買う前に何でも商品を試着できる)は、その両方を訪れるように顧客をうまく教育できるという点だ。

たとえば、ギャップやウォルマートが行なった調査から、実店舗とオンラインの両方を利用する顧客は、ひとつのチャネルしか利用しない顧客よりも、商品を多く買うことがわかっている。実店舗を活用してオンラインのより幅広い商品セレクションを宣伝する小売業者は、これによって抱えている在庫を少なく抑えることもできる。

オールドネイビーがBOPISのテストを開始した当時、同社は自社に対するこのサービスの価値だけでなく、マルチチャネル顧客の価値も強調した。テスト中、オンラインで買った商品を実店舗で受け取る顧客の20%が、店舗を訪れた際に、ほかの商品も購入した。オンラインサービスを店舗で宣伝すれば、同じようなメリットが得られる。たとえば、Tシャツを買いにオールドネイビーの店舗を訪れた顧客が、オンラインで売られている、バラエティーに富んだジーンズを宣伝するサイネージを見たとしよう。もしかしたらその顧客は、あとでウェブサイトを訪れてジーンズを1本買うかもしれない。

オールドネイビーの親会社ギャップでCEOを務めるアート・ペック氏は、昨年の収支報告のなかで「ショッピングの定義は変わり続けている」と述べた。「ただ店に入って商品を選び、そして店を出る以上のことを顧客は望んでいる。オンラインでほしいものを見つけ、その商品を実店舗で受け取ること、試着室で精算を済ませること、実店舗でオンライン注文することを望んでいる。我々は、顧客が望む形でショッピングを楽しみ、各ブランドとエンゲージするためのさまざまな可能性を提供しているということを強調し続けることが大切だ」。

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最終更新:6/11(火) 7:10
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