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米中貿易戦争、6月首脳会談がカギ―企業の「脱中国」加速も

6/11(火) 15:06配信

nippon.com

米国と中国の貿易戦争が危険なチキンゲームに発展している。米国が強硬姿勢にこだわる背景や、解決の糸口、日本を含め世界へのインパクトなど、中国問題に詳しい東京財団政策研究所の柯隆・主席研究員に話を聞いた。

貿易戦争から経済戦争へ

米中間の貿易不均衡は関税引き上げや為替操作では解決しない。一例を挙げると、中国は高い貯蓄率を利用して投資し、そこから生まれた製品が輸出に回るのに対し、米国はやたらに消費率が高いから、結果的に米国が赤字になるのは当然だ。

米中摩擦について、日本のマスコミは「貿易戦争」と呼んでいるが、私からすれば「技術を含めた経済の全面戦争」に発展している。トランプ米大統領の側近だったスティーブン・バノン元首席戦略官も「トレード・ウォー(貿易戦争)がエコノミック・ウォー(経済戦争)になった」と言っている。経済戦争という言葉はレーガン元大統領が旧ソ連に対し使って以来だ。その時は結果的にソ連の崩壊につながった。

日本の大型連休(4月27日―5月5日)までは、市場では「米中は合意間近」との読みで株価は上がっていた。ワシントンで米中貿易交渉があるから期待されていたわけだ。しかし、突如として連休最終日の5月6日、トランプ大統領がツイッターで第3弾の対中制裁措置として「2000億ドルの輸入品に対して25%の関税」と言い出し、いきなりこじれてしまった。

米交渉チームが明らかにしたように、中国はもともと約束していた項目について再交渉を要求してきたので、トランプ政権は「中国が時間稼ぎをしている」と見抜いた。中国は時間稼ぎしながら、貿易を巡る対立が激しくなると株価が大きく下落し、来年に大統領選を控えたトランプ氏には不利になると読み、そこに賭けた。そこで米国は「時間稼ぎは許さない」として、いきなり2000億ドル分の関税をぽんと上げたのだ。

中国は補助金を止めるとか、知的財産を保護するとか、技術を盗んだり移転を強要したりしないなどの諸点で、いったん約束したのに、それを撤回して再交渉を求めた。中国にとって貿易交渉の合意文書に署名すると自殺行為になるからだ。例えば、国営企業は補助金がないと成り立たない。知財や技術も似たような話で、米国の要求を飲んだら共産党政権が成り立たなくなる恐れもある。

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最終更新:6/11(火) 15:06
nippon.com

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