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EMP攻撃の恐怖と日米共同対処について

6/11(火) 12:22配信

Wedge

 大都市の電気、ガス、水道、交通、インターネットなどのインフラが一瞬にして破壊される新たな軍事的脅威にいかに備えるか―日米両国はこのほど、防衛相会談で、そのための情報交換や抑止力向上などの面で共同対処していく方針を確認した。

 「新たな脅威」とは従来の核ミサイルなどとは異なり、EMP(電磁パルス)による攻撃を意味し、「EMP兵器」として知られる。

 EMPはもともと、強力なパルス状の電磁波であり、雷、大規模な太陽フレアといった自然界の現象としても生じるが、高高度の大気圏外核実験でも人工的に大量発生させることができる。これを軍事転用したのが「EMP兵器」だ。

 岩屋防衛相は去る4日、来日したシャナハン米国防長官代行と会談、この中で「新領域」での自衛隊、米軍による共同演習などを中心とした「相互運用能力」を強化していくことで合意したことを明らかにした。

 通常の陸、海、空防衛面での共同対処とは異なる「新領域」の具体例として、宇宙、サイバー、電磁パルスが挙げられているが、最近とくに重視され始めたのが、EMP攻撃への備えだ。

 この問題ではすでに去る3月26日、トランプ大統領が初めて発令した「EMPに対する国家的復元力の統合について(Coordinating National Resilience to Electromagnetic Pulses)」と題する大統領命令の中で、同盟諸国との連携も含めた対処方針が具体的に示された。今回のシャナハン氏来日のひとつの目的も、この大統領命令を受けて日本側に説明し、同盟国間の協力関係を強化するためだったとみられる。

 大統領命令はまずEMPについて、ときおり地球の磁場の微妙な変動で生じる自然界の現象のほかに、地上の約40キロ上空で人工的に核爆弾を破裂させた時に大量に発生するEMPがあり、この場合「広大なエリアで安全保障、国家経済、公衆衛生面など政府、民間レベルでの深刻な混乱、機能不全を引き起こすことになる」と説明、国内的には全省庁と民間が一体となって情報収集、予知、予防、被害軽減、避難などの対策に取り組むよう指示した。

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最終更新:6/11(火) 12:22
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