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東京でとびきり安い「天ぷらそば」 店主に聞く「消費税10%で値上げする?」

6/11(火) 11:00配信

文春オンライン

「安い・うまい・はやい」は昭和の立ち食いそば屋の代名詞だ。

 しかし、最近では三田の「à la 麓屋 (あら ふもとや)」のように、高級なそばを出す店も増えている。生麺を使用するところも増え、天ぷらも注文毎の揚げという店も多くなっている。「安くない・うまい・はやくない」に変わりつつあるのだろうか。

【写真】みよし庵の「天ぷらそば」の写真を全て見る(全8枚)

 そんな中、昭和の「安い・うまい・はやい」を今も守り続けている店が幾つかある。茅場町の「そば処 亀島」、日暮里の「一由そば」、一之江の「今井橋そば店」など。そして、蒲田の「みよし庵」はその代表格といってよい。今回のキーワードは、「安い」、「290円」、「昭和の味」、「下町人情」といったところ。

「みよし庵」はJR蒲田駅西口を出て、すぐ北側のドン・キホーテの前にある。パチンコ屋などが立ち並ぶ路地の入口近く。

ダントツ一番人気の「天ぷらそば」は290円

 6月の第2週の水曜日の午前中に訪ねてみると、女将さんがいつものようににこやかに歓迎してくれた。「みよし庵」は昭和51年創業というから古参店といってよい。先代が始めて、今は女将さんとお兄さんで切り盛りしているそうだ。朝や昼間は日本工学院の学生さんや近隣の商店主などで賑わう。

 店内は白を基調にした内装で、縦長で左右に長いカウンターがある。外の喧騒が不思議なくらい、静かで緩やかな時間が流れている。

 そして、注文するのは、もちろんダントツの一番人気の「天ぷらそば」(290円)である。通常の立ち食いそば屋なら、野菜などのかき揚げの天ぷらを載せた「天ぷらそば」は370円~470円位が相場だと思う。

 消費税が8%になる前は「天ぷらそば」は270円だった。ちなみに創業した昭和51年頃、「天ぷらそば」は220円、「かけそば」は140円(現在は210円)だったそうだ。43年をかけて牛歩並みの価格上昇というわけである。というより全然上がってないという印象に近い。

夏は「冷やし天ぷらそば」が絶品

 さて、お味の方はというと、麺は近隣の製麺所の細めの茹麺で、コシもなかなかある。かき揚げの天ぷらは仕入れものだが、衣がやや多めの平べったい大きめのタイプで、横浜駅近くの「鈴一」や東神奈川駅の「日栄軒」、かつての大船駅の「大船軒」と似たタイプである。じっくりつゆにひたして食べるとなかなかよい。そして、なんといってもこのつゆが秀逸だ。やや赤みのかかった綺麗なつゆで、濃すぎることはなく、出汁がじんわりと感じられる。

 女将さん曰く「知り合いのつゆ専門店でつくってもらっている」そうで、ブレのない味を毎日提供できるそうだ。

 また、夏になるといつも注文するのが「冷やし天ぷらそば」(340円)だ。秀逸の味と安さに驚く。ガラスの器に、冷たいつゆに冷たい麺。天ぷらはいったんつゆに通してから提供してくれる。涼し気な一杯である。「冷やし天ぷらそば」は夏季以外でも一年中食べることができる。

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最終更新:6/11(火) 11:00
文春オンライン

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