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「心底失望した」伊藤忠元会長・丹羽宇一郎(80)が、政府の「働き方改革」を徹底批判!ーー文藝春秋特選記事

6/11(火) 11:00配信

文春オンライン

文藝春秋6月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年5月24日)

 4月1日より働き方改革関連法が順次施行されて約1ヶ月半。1947年に労働基準法が制定されてから70年ぶりとなる大改革で、長時間労働の是正や同一労働・同一賃金の実現が謳われている。

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 これに対し「心底、失望させられました」と異を唱えるのが、丹羽宇一郎氏(80)だ。「人は仕事で磨かれる」をモットーに、伊藤忠商事会長、中国大使を歴任した丹羽氏が指摘する、政府の「働き方改革」の問題点とは――。

誰のために作ったのかわからない

丹羽 「仕事とは、すなわち人生そのもの――私は半世紀以上、この信念でやってきました。そしてそれは今も間違った考えだとは思っていません。仕事は何よりも人に生きる喜びをもたらしてくれる。働き方改革は、それが法律に反映されていないのです。誰のために作ったのかわからないような法律ばかりが並んでいる。

 これからの50年、100年は、AIの進化やロボット技術の発展によって仕事のあり方そのものが大きく変化するでしょう。その中で人口減少社会に突入している日本は、一人ひとりの生産性を高めていかなければなりません。過労死の防止など、長時間労働に伴う問題を解決することは大切ですが、働きやすい環境を作って労働者の意欲を高めることが喫緊の課題なのです。

 働き方改革は仕事のあり方、ひいては国民の人生を決定付けるほど重要なのに、それを理解した上で作られた法律だとはとても思えません」

 改革の目玉となっているのが、残業時間の上限規制と年次有給休暇の取得義務だ。今回、初めて法律に明記され、違反した場合には企業名の公表や刑事罰が科せられる可能性もある。

丹羽 「『上限を超えた残業はダメです』と、マルとペケを付けて一律処理することによって労働者が働きやすくなるとは、到底思えません。

 私はなにも『残業時間なんて気にせず、いくらでも働かせればいい』と言いたいわけではありません。規制がなければ労働者に対して長時間労働を強いるブラック経営者がいることは事実。弱い立場にいる人が安心して働けるルール作りの重要性は言うまでもありません。

 ただ、もっと働きたいという意欲を持つ人に対して、十把一絡げの規制を設けてしまっては、いたずらに勤労意欲を奪うことになりかねない」

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最終更新:6/11(火) 11:00
文春オンライン

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