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日経平均2万3000円回復の可能性が出てきた

6/11(火) 5:30配信

東洋経済オンライン

 2019年はもう少しで折り返し地点を迎えますが、年初には予想ができなかった重要な出来事がいくつか起こっています。それらを列挙すると、以下のとおりになります。

① FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ停止
②米中貿易戦争の激化
② FRBの利下げ(実施の見込み)

■FRBの姿勢転換が、アメリカの景気を下支えする

 FRBが2019年に入り利上げを停止したことで、実際にアメリカの景気は大きく下支えされています。現在も過去も不動産(とくに住宅)は景気拡大のエンジン役を果たしていますが、利上げの停止によってアメリカの長期金利はいっそう下がり、住宅ローン金利も下がったので、下降の傾向にあった住宅関連指標が総じて持ち直してきているのです。

 さらにアメリカの景気にとって大きな援軍となるのは、FRBが利下げを決断するのが近いといわれていることです。2018年の物価上昇率は目標の2%程度を維持していたものの、2019年以降はずっと2%から遠ざかっているからです。ジェローム・パウエル議長もリチャード・クラリダ副議長も、「景気拡大を持続させるため、適切な行動を取る(=利下げをする)」と表明しています。

 そのような状況下で注目されていたアメリカの5月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が7万5000人増と市場予想の18万5000人増の半分未満にとどまりました。そのため、年内の利下げを予想していた市場関係者たちは、利下げの予想時期の前倒しに傾いてきています。その結果、金利先物相場から計算される「フェドウオッチ」では、年内の利下げの確率が100%に接近したばかりか、7月の利下げ確率が84%と急上昇しているのです。 

 FRBが利上げを停止しただけでなく、利下げの判断を迫られる状況に追い込まれている流れの中で、ECB(欧州中央銀行)は6日の理事会において、2020年前半まで政策金利を現状の水準に据え置くことを決めています。米中貿易戦争が悪化の一途をたどり、2019年後半に景気が力強く回復するというシナリオは見通せなくなったからです。

 ECBが同日に公表した四半期に一度の「経済・物価の見通し」では、2020~2021年が下方修正され、経済が力強さを欠く状況が長期化すると予測されています。

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最終更新:6/11(火) 5:30
東洋経済オンライン

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