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米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える

6/11(火) 17:00配信

デイリー新潮

米大使「同盟が続くと思うな」

――「同盟を打ち切るぞ」と脅したのですね。

鈴置:実は、駐韓米国大使がすでにそう警告していたのです。2018年11月26日、ハリス(Harry Harris Jr.)大使が「米韓同盟がいつまでもあると思うな」とソウルの公開の場で発言しました。

 これを報じたのは保守系紙、朝鮮日報社の発行する月刊朝鮮。その記事「ハリー・ハリス駐韓米大使、『米韓同盟を当然視してはいけない』」(11月27日、韓国語)から大使の関連発言を拾います。

・(米朝首脳会談により)北朝鮮に肯定的な変化が生まれる可能性が無限にあると考えている。しかし、これは金正恩委員長が非核化に関する自身の約束を守る時にのみ可能になる。
・北朝鮮が非核化に関する具体的な措置をとるまで、現在の制裁が維持されるということだ。
・最後に一言申し上げたい。我々の同盟は確固として維持されているが、我々はこれを当然視してはいけない。

 米国大使が「韓国が制裁を破ったら同盟を打ち切るぞ」とはっきりと語ったのです。前代未聞の事件でした。

 もっとも、ここまで脅されても文在寅政権は馬耳東風。5月8日、金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は北朝鮮への食糧援助の方式などを早急に決め、5~6月の食糧が不足する時期までに実行すると表明したのです(「文在寅は金正恩の使い走り、北朝鮮のミサイル発射で韓国が食糧支援という猿芝居」参照)。

 米国はこの発言も自らへの挑戦と考えたに違いありません。その4日前の5月4日、北朝鮮が「イスカンデル」と見られるロシア製の弾道ミサイルか、そのコピーを発射していました。

 もちろんこの発射は国連制裁違反です。「韓国は北朝鮮の使い走り」と米国が見なしたのも当然です。

本性を現わした文在寅政権

――文在寅政権はなぜ「馬耳東風」なのでしょうか。

鈴置:「確信犯」だからです。文在寅政権の中枢部は「民族を分断する米帝国主義と戦おう」と考える親北反米の活動家出身で固められています(「米韓同盟消滅」第1章第1節「米韓同盟を壊した米朝首脳会談」参照)。

 彼らにとっては米国との同盟は唾棄すべきもの。米国から「打ち切るぞ」と言われても痛くも痒くもない。むしろ米国側から廃棄してくれればしめたものです。

 そうなれば韓国の親米派も文句は言えないからです。もし、文在寅政権が「打ち切る」と言い出せば、青瓦台(大統領官邸)はデモの群衆で取り囲まれるでしょう。

 それに加え、今やお家存亡の危機。親北派の心の祖国である北朝鮮では制裁による食糧難がひどくなる一方です。金正恩政権の将来を見限って亡命する指導層が相次ぐ。米国が何と言おうと今、北朝鮮にドルと食糧を送らねばならないのです。

 だから文在寅政権は6月5日に800万ドルの対北援助を決めた。人道支援の名目で国連経由です。が、このおカネで購って北朝鮮に送られた食糧が飢えた子どもたちではなく、軍に回る可能性が高いと国際社会は見ています(「文在寅は金正恩の使い走り、北朝鮮のミサイル発射で韓国が食糧支援という猿芝居」参照)。

 さらには、国連は経由せずに直接、北朝鮮にコメなどの食糧を送る計画にも動いています。文在寅政権は本性を現わしたのです。

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最終更新:6/12(水) 11:34
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