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ロナウドより輝いた。ポルトガルの 新エースがネーションズリーグMVP

6/11(火) 6:17配信

webスポルティーバ

「ネーションズリーグを制すことができ、心から誇らしい。ポーランドとイタリアと同居した非常に厳しいグループを勝ち上がり、スイスとオランダにも勝てたのだからね。僕にとって、ポルトガル代表として初めてのタイトルだ。本当にうれしいよ。ファンタスティックなサポートをしてくれたポルトガルの人々と、この喜びを分かち合いたい」

エルサルバドル戦で日本代表デビューを果たした久保建英

 第1回ネーションズリーグで大会最優秀選手に選ばれたポルトガルのベルナルド・シウバは、オランダを1-0で下して優勝したあと、清々しい表情でそう話した。

 実際、この試合でも誰よりも大きな存在感を放っていた。絶え間なく足を動かし、積極的にボールを受け、どれだけ運んでも失うことはほとんどない。プレーの選択を誤るシーンもほぼ見られず、ドリブルでもパスでも、確実に局面を優位に進める。また小柄ながら芯が強く、マタイス・デ・リフトといったオランダの巨漢DFと競り合っても、ジャンプと体を当てるタイミングがよく、時には競り勝つことさえあった。

 マンチェスター・シティでプレミアリーグの連覇に貢献したばかりの24歳は、ペップ・グアルディオラ監督のもとで、今や世界屈指のMFのひとりに数えられるまでに成長した。シティのチーム内を伝えるドキュメンタリー番組『All or Nothing』で明かされているように、聡明なMFはきれいな英語をきちんと話し、練習熱心なことでも知られている。

 また、誰からも愛されるキャラクターの持ち主で、ファイナルのあとに大会最優秀選手として彼の名前がアナウンスされると、多くの仲間から手荒くも愛のある祝福を受けていた(19歳の新鋭ジョアン・フェリックスまでもが頭をはたくように)。

次々に優れた選手と監督を輩出するポルトガルについて、フェルナンド・サントス監督は、UEFAのインタビューで次のように話している。

「この国には、本当の意味でフットボールが息づいている。日々の暮らしと切り離せないものなのだ。ポルトガルの子どもたちは、幼いころからストリートでボールを蹴り始める。だから、フットボールを理解する能力が自然と養われるのだと思う」

 ストリートフットボール──。社会の近代化に伴い、多くの国で失われてしまったものだ。けれども、伝統や本質的なものを尊ぶこの国には、今もそれが残されているのだろう。そして心優しき人の多いポルトガルは、煤けた通りにも危険は少ない。

 ネーションズリーグの初代覇者となった代表チームの選手たちには、そんなストリートの香りが漂う。その筆頭がベルナルド・シウバだ。

 おそらく幼少期から近所の大人たちに混じって、来る日も来る日も技を磨いたのだろう。凹凸のある石畳の小道でボールの変則的な動きを体で覚え、自分より大きな相手にはどんなプレーが有効なのかを体得する。整った環境では得られないスキルや理解力がベースとなり、ベンフィカというエリートクラブの育成組織に入ってからは、芝の上で必要ないろはを学んでいったはずだ。そして2年前から、現代随一の名指揮官のもとで特大の才能を完全に開花させた。

 オランダとのファイナルでは、スタートポジションが右のウイングながら、周囲と呼吸よくポジションを変え、とにかくボールに絡み続けた。開始早々、ロングフィードに抜け出して、見事なトラップからボックス内でシュート体勢に入ったところで倒されたが、笛は鳴らず。その後は、ブルーノ・フェルナンデスにおあつらえむきのパスを出して、2度のミドルシュートを導き出したりもした。

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最終更新:6/11(火) 6:17
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