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なぜ「アメリカンイーグル」を手放すのか 青山商事、スーツとアメカジの誤算

6/11(火) 8:00配信

WWD JAPAN.com

紳士服の青山商事は、「アメリカンイーグル アウトフィッターズ(AMERICAN EAGLE OUTFITTERS)」の国内事業の譲渡を検討中であることを明らかにした。連結子会社イーグルリテイリング(東京、奥島賢二社長)を米アメリカンイーグル アウトフィッターズ(以下、米AEO)に譲渡する方向で、話し合いを進めているという。

【画像】なぜ「アメリカンイーグル」を手放すのか 青山商事、スーツとアメカジの誤算

青山商事は米AEOと日本におけるフランチャイズ(FC)契約を2010年に結んだ。青山商事が90%、住金物産(現・日鉄物産)が10%出資して設立したイーグルリテイリングは、12年に日本1号店となる大型店を原宿に出店。以後、出店を重ねて現在は約30店舗を運営する。

最大手の紳士服専門店とアメカジブランドの組み合わせは意外な感じもするが、これはビジネススーツの市場縮小を見込んだ同社の多角化戦略の一環だった。スーツ販売に頼らない収益基盤の確立という方向性は間違っていない。ただ、いくつかの誤算で同社のシナリオに狂いが生じた。

"アメカジが若者トレンドから外れる"

一つは「カジュアルウエアの王道」と思われたアメカジが市場で下火になってしまったことだ。

「アメリカンイーグル」による本場のアメカジは当初は順調で、米国と同じく、主に大学生など若者の支持を集めた。だが、この数年は低迷に転じた。日本企画を投入したり、値下げに踏み切ったりテコ入れしたものの、上向くことはなかった。イーグルリテイリングの19年3月期は、売上高が前期比約10%減の123億円、営業損益は13億円の赤字(前期は8億円の赤字)。既存店売上高は10.2%減と落ち込んでいる。

近年、オーソドックスなアメカジブランドは総じて苦戦している。米ギャップ(GAP)傘下の「オールドネイビー(OLD NAVY)」は、17年1月期に日本の75店舗を閉めて国内事業から撤退した。「ギャップ」でも昨年の渋谷店に続き、5月には原宿旗艦店の営業を終了した。米アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)は今月、全世界の大型店整理の一環として福岡店を20年に閉じると発表した。これで「アバクロ」の国内プロパー店舗は、銀座店とEXPOCITY店(大阪)のみになる。日本企業でもジーンズカジュアル専門店のライトオンが19年8月期の業績予想を53億円の最終赤字になるとの下方修正を出したばかりだ。「アメリカンイーグル」もこの逆風に抗することはできなかった。

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最終更新:6/11(火) 8:00
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