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コーセー、42年ぶり国内新工場 根強い「日本製」人気

6/11(火) 7:00配信

日経ビジネス

 コーセーは6月7日、2021年度に稼働予定の新工場「南アルプス工場(仮称)」の建設にあたり、山梨県と南アルプス市との立地協定・森林整備協定を締結した。同社が国内に新たな生産拠点を設けるのは42年ぶり。敷地面積約11ヘクタールは国内最大規模だ。

 150億~250億円を投じて建設される予定の新工場では、大ロットのスキンケアやヘアケア商品を生産する。生産ラインの自動化などを進めることで効率を上げ、現在、群馬と埼玉にある2工場と合わせて生産力を従来の2倍に増強する。

 新工場の建設を後押ししたのは、根強いインバウンド需要とアジアでの日本製化粧品の人気の高まりだ。同社の2019年3月期の連結売上高は約3300億円と6期連続で過去最高を記録した。特にアジア市場での成長は著しく、同市場での売上高は514憶円と前の期に比べ46%増だった。

 コーセーは2018年度に中国・杭州市にあった生産拠点を売却する一方、今年3月には東京都北区で新たな「基盤研究所」が竣工するなど、日本国内での積極投資を続けている。7日に会見したコーセーの小林一俊社長は「2014、15年ごろから急激なインバウンドの需要増もあり、(中期経営計画で掲げた)売上高5000億円を達成するには第3の工場が必要となった」話す。

 小林社長は「新たな時代に向けたものづくりやサプライチェーンも試したい」とも語った。南アルプスの新工場では生産や検査のオートメーション化も進め、人手不足や人件費の抑制にも対応する。

 化粧品業界では、資生堂が栃木県大田原市に国内36年ぶりの新工場稼働を年度内に予定しているなど、生産の拠点などを国内に戻す「リショアリング」の流れが続いている。背景には海外からの「日本製」化粧品への根強い需要がある。

 海外では越境ECなど新たな販路も拡大している。一方で新興国での賃金上昇などもあり、以前より海外での製造コストは上昇している。「日本製」を売りにできる製品を持つメーカーを中心に、リショアリングの流れは今後も続きそうだ。

神田 啓晴

最終更新:6/11(火) 7:00
日経ビジネス

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