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環境と経済を両立する有田川町のまちづくり

6/12(水) 7:08配信

オルタナ

有田みかんやぶどう山椒で知られる和歌山県有田川町。2006年に吉備町・金屋町・清水町が合併して誕生したまちだ。同町では地域のエネルギーは地域で創る、分ければ資源、混ぜればただのごみという2つの考えのもと、環境と経済を両立したまちづくりが進められている。(上野山友之)

同町のベースとなる取り組みは合併前まで遡る。旧吉備町では、1998年ごろまでに自治会の協力のもと、道に点々と置いていたごみ出しを自治会管理のステーションへのごみ出しへと移行することができた。この結果、ごみ収集の効率化に加え、ごみの分別精度向上や高品質な資源ごみの確保につながった。さらに、2000年には近畿の自治体で初となる風力発電設備を設置し、まちのシンボルとして親しまれたという(故障により現在は撤去)。

合併後には、資源ごみ収集のマイナス入札化という大きな転機が起こる。それまでは年間約3200万円で資源ゴミ収集運搬処理業務を委託していたが、ステーション化とゴミ分別精度の高さにより、雨濡れが少なく再分別の必要がない資源ゴミが評価され、委託費がマイナスに移行。現在では、年間210万円の収入となっている。これにより削減できた費用を町役場は「低炭素社会づくり推進基金」として、エコな使途に充てるよう、積みはじめたという。

2009年度からは町役場環境衛生課長の中岡浩氏の提案によって「有田川エコプロジェクト」が始動。再生可能エネルギー事業にも取り組みを広げる。まずは、基金を活用して、住民向けの太陽光発電・太陽熱利用設備の設置補助制度を導入。ごみ減量の面でも生ごみを堆肥化するコンポスト容器無償貸与制度を新設し、住民のエコ活動活発化を図った。

また、町役場も太陽光発電事業にも取り組み、公共施設の屋根を中心に、廃校になった小学校へも発電設備を設置し、使われていなかったインフラをいわば稼ぐインフラにすることもできたという。これらの取り組みについても、基金を活用したが、得られる売電収入も基金へと積むため、財政面においても循環型の仕組みが構築できている。

裾野を広げるという観点からは、公立保育所と連携した子ども服古着バザーを定期的に開催するようになった。バザーの売り上げは絵本の購入代金として協力してもらっている保育所に還元し、ここでも循環が生まれている。
 
プロジェクトの目玉であった町営二川小水力発電所建設は県営多目的ダムの維持放流水を権利を持たない町が利用するという計画であったため、全国にも例がなく、当初交渉は難航した。しかし、自然災害の発生などで再エネの重要性が見直されたことなどが追い風となり、2016年2月に発電所が完成。全国初のスキームでモデルとなりうる事業であるとして新エネ大賞も受賞した。

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最終更新:6/12(水) 13:27
オルタナ

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