ここから本文です

映画『新聞記者』――国家の闇に立ち向かう女性記者    河村光庸

6/12(水) 13:13配信

創

安倍一強に反発している人は結構多いことを知った

『新聞記者』は結局、公開館数も大きくなったし、いろいろな人が協力してくれました。安倍一強と言われる政治状況の中でも、それに対して疑問を感じ、反発している人は結構多いのだなというのが実感です(笑)。
 問題は、若い人が意外と政権を支持していたり、論争をしなくなっていることですね。政治的なものはやっちゃいけないという教育を受けて、避けようとしている。でも私はスタッフにもよく言っているのですが、政治的なものは措いといて、とはいかないんです。あらゆるものがある意味で政治的なんです。
 そういう今の政治状況を描こうと考えていたところへ、2017年秋に望月さんの著書が出版されて、インスパイアされました。内閣記者会としては官邸と激突してはネタがもらえなくなってしまうというジレンマを抱えているのですが、望月さんは社会部記者だから政治部とは違った行動がとれる。望月さんのような記者が現れたわけです。
 当初は、望月さんが菅官房長官とやりあうようなシーンも映画で描くことを考えました。菅さん役を誰にするかとか真剣に考えました。でもそうやってしまうと映画の幅を狭めてしまうかもしれない。ですから望月さんには別の形で登場していただくことにしたのです。
 このへんが最近の2~3年のことを素材にしている難しさでもありますが、具体的に起きていることの奥に何があるのかを観客には見せないといけない。内閣情報調査室という部署名は実在のまま描いているのですが、あくまでもこの映画は物語だし、映画のラストも、その後どうなったのか観ている人たちに想像してもらうという形にしたのです。あなたならどうする、と観客に問うているわけです。だって映画に描いたような状況は、現実にまだ続いているわけですからね。

3/3ページ

最終更新:6/12(水) 14:52

記事提供社からのご案内(外部サイト)

月刊「創」

創出版

2019年9月号
8月7日発売

700円(税込)

各種SNSやブログでも、随時情報を配信しています。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事