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必要な人材には最高水準の報酬? 年収中央値から見えたテック企業それぞれの事情

6/12(水) 8:11配信

WIRED.jp

経済危機の影響が色濃く残る10年ほど前、米国議会は1本の法案を通過させた。この法案は、最高経営責任者(CEO)の報酬に対する従業員の年収中央値の比率を開示するよう、上場企業に求めるものだ。企業の行き過ぎた活動と給与の不平等に光を当てるのが狙いだったが、巨額の役員報酬を抑制することで経済危機に対応できると議会はにらんでいた。

巨大テック企業の給料から、ビジネスモデルの違いが見えてくる

この要請が、大多数の企業に対して効力をもつようになったのは2018年のことである。テック企業の2回目の開示データがこのほど出揃い始め、米国トップクラスの高給取りたちの報酬についての全容が、少しずつ明らかになってきた。このデータを見ると、仮に膨大な数の従業員の時給を10ドル未満にまで引き下げれば、どのようなデメリットがあるかも見えてくる。

あの企業の年収中央値は?

例えば、グーグルの親会社アルファベットの18年の年収中央値は25パーセント増えて、24万6,804ドル(約2,700万円)だった。これは『WIRED』US版が把握しているテック企業十数社のうち最大の上げ幅であり、最高額となる。

アルファベットの広報担当者によれば、この大幅な上昇の要因には、自社株あるいはその購入権の付与状況の変化が挙げられる。従業員が17年に実質的に受け取った報酬額は、通常の半額だった。このため「全額支給」が18年に再開されると、報酬額が一気に跳ね上がったというわけだ。

これとは対照的に、フェイスブックにとって、18年はさまざまな危機を耐え忍ぶ年となり、現在は採用に四苦八苦していると報じられている。こうした状況であれば、経営陣が従業員をつなぎとめるために給与をアップするのではないかと思うかもしれない。しかし、フェイスブックの年収中央値は前年比で約5パーセント減の22万8,651ドル(約2,500万円)だ。『WIRED』US版が分析対象としている企業のなかでも最大の下げ幅だが、フェイスブックの広報担当者は「特別な理由はない」と話している。

シリコンヴァレーで活動するヴェテラン人事コンサルタントのヴァレリー・フレデリクソンによると、こうした状況は特に驚くべきものではないという。「入社希望者は、それでもフェイスブックで働きたいと思うものです。給与削減も受け入れるでしょう」と彼女は話す。「給与と地位が大幅に下がってでもフェイスブックで働く人を何人も見ています」

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最終更新:6/12(水) 8:11
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