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福島・放射性物質の「汚染ゴミ保管用」の土地買収がほぼ完了

6/12(水) 7:08配信

FRIDAY

福島第一原発エリアをドローン撮

福島県内で巨大施設の建設が進められている。福島第一原発(白い実線の海側内部)を囲むように広がる、東京ドーム342個分の「中間貯蔵施設」(点線内)。除染で発生した廃棄物など、「核のゴミ」を集中保管する場所だ――。

施設対象地域の地権者は2300人ほど。国は地権者から土地を買収するか借り受け、すでに実質9割の用地取得を終えている。同県双葉町の地権者が話す。

「国の評価額は1平方メートルあたり住宅地で2800~9250円。山林で520円でした。私の持っていた住宅街の土地は約300平方メートルの広さだったので、90万円ほどで売却しています。原発事故前の評価額は180万円。国の説明によると、事故により評価額は住宅地で5割、山林で7割ほどに下がったそうです。あまりに安い金額で先祖代々の土地を失うことに反発はありましたが、現在の状況では除染ゴミは県内各地の仮置き場に放置されたまま。国は30年以内に県外で最終処分すると説明しているので、信じることにしました」

確かに中間貯蔵施設を管轄する環境省は、30年後までに除染ゴミを福島県の外で処分するとしている。だが、具体的な土地の選定はまったく進んでいない。それどころか同省は処分に窮(きゅう)し、汚染土を県内の高速道路の盛り土や防潮堤などへ意図的に転用しようとしているのだ。『30年中間貯蔵施設地権者会』会長の門馬好春氏が語気を強める。

「汚染土は県内の二本松市、飯舘村、南相馬市で使われようとしています。計画を進めれば実質的な最終処分場となる恐れがあり、県外で処分するという説明が根底から覆る。多くの地権者が先祖代々の土地を手放し、どんな思いで協力しているのか。国にはよく考えてほしい」

地元住民からよく相談を受ける、弁護士の越前谷元紀(えちぜんやもとき)氏が語る。

「住民の不安は当然です。環境省の説明には、具体性がまったくない。県外処分が実現しなかった際、地権者へどのような補償をするのかも明確でないのです」

本誌の取材に対しても、環境省は「30年後に県外最終処分をする」(「中間貯蔵チーム」黒部一隆・課長補佐)と繰り返すばかり。いま、30年後の放射能ゴミに責任をとれる者などいるはずがない。国家的な欺瞞を許してはいけない。

撮影・取材:桐島瞬(ジャーナリスト)

『FRIDAY』2019年6月14日号より

最終更新:6/12(水) 7:08
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