ここから本文です

消費税増、再々延期せざるを得ないこれだけの理由

6/12(水) 8:33配信

HARBOR BUSINESS Online

世界経済の趨勢を見ても消費税増税すべきではない

 今年10月、8%から10%への消費税増税が決定済みだが、ここへきて再々延期の可能性が現実味を帯びてきている――。

 安倍政権は’14年に、同年4月に5%から8%に引き上げた際、増税前の駆け込み需要が発生し、その後に反動減に見舞われたことを理由に、同年11月、10%への引き上げを先送りした。ところが、’16年6月には2度目の延期を決定。新興国経済の減速を憂慮し、「新しい判断」として将来のリスクを回避したのが理由だった……。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、増税を再々延期せざるを得ない理由がいくつもあると指摘する。

「世界経済は見通しが暗く、IMF(国際通貨基金)や世界銀行が今年後半に悪化すると予測している。さらに、米中貿易戦争の悪影響も出ている。一方、国内経済は輸出が激減し、GDPの2本柱の消費と設備投資が落ち込んでいる。賃金を見ても、働き方改革で残業が減ったのに給料は上がらず、手取りが減っている。年金は4年ぶりに支給額が0.1%上がったものの、物価は1%上がり、実質マイナス。個人消費が上向くわけがないのです」

官邸周辺の発言も物議を醸す

 確かに、5月20日発表の1-3月期GDP速報値は、前期比+0.5%と市場予想を上回ったものの、設備投資は0.3%減と落ち込んだ。GDPが前期比プラスだったのは、米中貿易戦争で輸出が激減したが、それ以上に輸入が減少したからにすぎない。内閣府も、景気の基調判断を実に6年2か月ぶりに「悪化」へ引き下げている……。

 一方、官邸周辺が物議を醸す事態も。4月、首相側近の萩生田光一幹事長代行が「増税延期もあり得る」と発言。5月10日、ふたたび「(消費税増税が)決まっているから、なりふり構わずゴールテープを切るという姿勢はよくない」と言って、波紋を広げた。

首相が増税できない最大の理由は

「大前提として、安倍首相には最初から実行する気がないと見るべきでしょう。というのは、消費税増税の延期は非常に強力な政治カードだから。参院選を控え、官邸から観測気球が揚がり、野党は衆参W選に警戒を強めているが、このように掻き回すことができるのも政治カードを握っているからで、過去にも選挙用のカードとして利用してきたのです」

 実際、自民党若手議員からは、「消費税増税延期でW選挙だ」と威勢のいい声も聞こえる。荻原氏は、首相が増税できない最大の理由を明かした。

1/2ページ

最終更新:6/13(木) 1:20
HARBOR BUSINESS Online

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事