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和食に甲州ワイン、魅惑の地酒文化 小倉ヒラク「発酵」の旅

6/12(水) 10:19配信

日経ARIA

小倉ヒラクさんは、発酵食品を文化人類学の観点から見直してその魅力を伝える「発酵デザイナー」。2018年から2019年にかけて、全国の発酵食品の現場を一人で訪ねました。発酵食品のあるところには、その発酵食を生み出した歴史的、地理的な背景があるのだそうです。全6回の発酵の旅、今回は山梨の「甲州ワイン」を紹介してもらいます。

【関連画像】山梨に来てビックリしたのは「お寿司と地元のワインのペアリング」というカルチャー(甲府市の福寿司にて)

 こんにちは。発酵デザイナーの小倉ヒラクです。僕は発酵文化のスペシャリストとして、日々微生物の世界を探求し、その魅力を伝える活動をしています。

 僕は2018年から2019年にかけて、発酵食を求めて47都道府県を訪ねました。この壮大な『日本発酵紀行』。全国各地に根付いた発酵文化の歴史的・地理的な背景を探るために、各都道府県から一つずつローカル発酵食品を探し出し、生産現場に足を運んで話を聞いて回ってきました。

●発酵食の生産地へ、昔の人が使ったルートで行ってみた

 47のローカル発酵食品を選ぶ旅をするに当たって、己に課したルールは3つ。

・発酵食品の種類がかぶらないこと(日本酒・醤油などのメジャーな発酵食品に頼れない)

・その土地のルーツに根付いている(最低三代にわたって受容されている)

・必ず生産の現場に行く(しかも昔の人が歩いたであろうルートで移動する)

 このルールが思いのほか厳しくて苦労したのですが、そのおかげで地元の人ですら「何それ?」という、知られざるローカル発酵食品にも出合うことができました。

発酵食品の背景には、その土地の文化がある

 全国の発酵文化を訪ね歩くうちに、土地の属性から発酵食品を分類できるのでは、と考えるようになりました。「海・山・街・島」の4つに分類するというものです。

 発酵食品が誕生した背景には、必ずその土地の文化があります。これらの発酵食品の中から、読者の皆さんにも体験をしやすいものを選び、文化を感じる旅のヒントになるような記事をお届けしていきます。

 第1回は僕がいま住んでいる山梨。山梨を代表する発酵食がワインです。さきほどの4つの分類では「山の発酵」に入ります。山間地独特の気候が生んだ発酵文化をお楽しみください。

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最終更新:6/12(水) 10:19
日経ARIA

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