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「多拠点生活」でさまざまな「仕事」を拡張する生き方を学ぶ!【FINDERS DAY 2019 レポート】

6/13(木) 11:50配信

FINDERS

去る2019年4月10日に開催した、ウェブメディア『FINDERS』の創刊1周年記念イベント「FINDERS DAY 2019」では、3つの異なるフィールドから、既成概念を拡張し続けるフロントランナーによるトークセッションを実施した。

今回は、1stセッションとして「暮らしと仕事の拡張」をテーマに、ナリワイ代表・伊藤洋志氏、建築ライターでNPO南房総リパブリック理事長の馬場未織氏に登壇いただいたトークの模様を紹介したい。

ご両名が多拠点生活でさまざまな仕事を拡張するノウハウやいかに?

生活の自給を仕事に拡張するお手本・ナリワイ代表・伊藤洋志氏

冒頭で、ナリワイ代表・伊藤洋志氏が企画する「モンゴル武者修行ツアー」についてふれる編集長・米田。伊藤氏は、学生時代にボランティアでモンゴルに行ったことがきっかけでツアーを企画することになり、以来、年2回実施し、今年で11年目になるという。

伊藤:遊牧民が持つさまざまな生活技術をマスターした日本人を増やしたいと思って企画したツアーです。現地で馬に乗ったり、羊を捕獲して毛刈りをしたり、移動式住居のゲルを立てたりします。あと、モンゴル相撲をやるハメになります。特訓すると大体の人が馬で走れるようになります。こんな企画に参加する猛者は日本でも年間20人もいませんが(笑)。

米田:かなりワイルドなツアーですね(笑)。参加者の満足度はいかがですか?

伊藤:なにしろ武者修行ですから、参加した人は、なぜか帰国後に会社を転職したり、海外に行ったりしてしまう人が多いんですよ。確かに草原でたくましく自立している遊牧民の生活を目撃したら、日本で悩んでいたことが小さく見えるのかもしれません。旅というより基本的にはハードなワークショップです。企画の発端としては、モンゴル遊牧民という家(ゲル)の移動もできる生活がごく日常的に行われていることに、僕が衝撃を受けたからです。彼らは1時間くらいで家を建てられるんです。季節ごとに引っ越しますが、同じ季節内でも環境によっては移動します。日本のように、30年間も住宅ローンに縛られる生活とはずいぶん世界観が違います。

最初はモンゴルだけでしたが、タイ武者修行も5年前に始めました。こっちは、タイ山岳民族のアカ族の村での武者修行です。以前、タイを旅行した友人から山岳民族の生活の話を聞いたら、彼らが住む家は、竹を使って4日くらいで高床式の家を建てるというのです。しかも、鉈1本で、釘すら使わずに竹だけで。これはすごい! いつかここに見習いしに行きたいなぁと思っていたら、村出身で日本語を話せるパートーナーと出会って、村の方も協力してくれることになり、年に一回、家の建て方を教えてくれることになりました。タイ武者修行は村で約1週間、家を作るワークショップをするツアーです。ちなみに去年、この参加者の中からは帰国後に1人が転職して大工修行を始めました。

米田:よほどインパクトがあるということですね(笑)。やはり伊藤さんはDIYが好きなんですか?

伊藤:物事のプロセスを理解して体感するのが好きなんです。僕の活動は、今日の「暮らしと仕事の拡張」のテーマそのものですが、暮らしの中で、自分でできることを拡張していくと、自給の範囲を超えて少しはみ出た部分が仕事になっていくイメージです。たとえば、日本では家は高価なもので、人生の3分の1ぐらいの労働報酬を投入していますが、もしもみんなが一部でもいいので自分で居住空間を作れるようになったら、生活や働くことへの価値観が根底から変化するかもしれない。小さくてもそういう社会に対して革新性を秘めた仕事を複数やるようにしています。

米田:そういう小さい仕事をいくつか集めて、複業という意味で「ナリワイ(生業)」という名前で仕事レーベルをやっているわけですね。

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最終更新:6/13(木) 11:50
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