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「死の海域」が過去最大規模に達するおそれ、米国南部

6/13(木) 7:11配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

世界で拡大しつつある低酸素海域、原因は川から流れ込む水

 米国南部の海が死にかけている。ミシシッピ川の河口あたりの海は毎年「デッドゾーン(死の海域)」と呼ばれる酸欠状態になるが、科学者の予測によると、2019年は観測史上で最大規模に達するおそれがあるという。

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 例年、春に雨が降ると、陸地の肥料や下水に含まれる養分がミシシッピ川に流れ込む。淡水は海水よりも軽いので、河口から海に出た水は表層近くにたまって循環を妨げる。養分を多く含む淡水層では藻類が大発生し、この藻類が死んで分解される際に大量の酸素が消費される。

 そうしてできる低酸素の海では、生物たちは窒息して生きていけない。これがデッドゾーンだ。今年、メキシコ湾の大陸棚の上には、東京都の面積のおよそ10倍に当たる2万平方キロメートル以上ものデッドゾーンができると予測されている。

窒息する生態系

「酸素の濃度が2ppmを下回ると、移動できるエビ、カニ、魚はすべて逃げ出してしまいます。移動することができず、海底の沈降物の中で暮らしている動物は、ほぼ全滅する可能性があります」と、米ルイジアナ州立大学の海洋生態学者ナンシー・ラバレー氏は話す。

 エビなどの生物は、酸素を求めて沿岸域へ向かうことが多い。酸素が少ない場所にいるエビは、発育不良を起こしてあまり大きくならない。

 2017年には、デッドゾーンがメキシコ湾岸のエビ漁師に与える影響についての研究が発表されている。デッドゾーンが発生すると、エビの値段が下がり、地域経済への打撃となるという。

 デッドゾーンはメキシコ湾だけで起きている問題ではない。世界最大のデッドゾーンは、ヨーロッパのバルト海にある。バルト海のデッドゾーンでは、漁業が打撃を受けているだけでなく、ほとんどの海洋性動物が生存できない状態になっている。

 米国西海岸では、21世紀初頭以来、カリフォルニア州とオレゴン州のカニやカキの漁業団体が収益の低下を報告し続けている。毎年、酸素の少ない海水が広がることで、普通なら海底で獲れるはずの生物が大量に死んでいるという。

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