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ニクラス・ジューレ。ドイツとバイエルンの次代を担う大型CB。

6/13(木) 13:24配信

footballista

文 とんとん
編集 澤山モッツァレラ


 ドイツ代表とバイエルンで不動の地位を築いてきた、イェロメ・ボアテンクとマッツ・フンメルスのCBコンビ。実力は申し分ないものの負傷離脱の少なくない彼らに割って入る活躍を見せているのが、23歳のニクラス・ジューレだ。

 バイエルンはアリエン・ロッベン、フランク・リベリ、ラフィーニャの退団が決まり、リュカ・エルナンデス、パバール等の獲得で来季に向け急速な若返りが図られている。ドイツ代表でも、ヨアヒム・レーブ監督からJ.ボアテンクとフンメルス、トーマス・ミュラーへの引退勧告がなされ世代交代が進められている。そんなドイツ代表とバイエルンの次代を担う大型CBジューレにフォーカスする。

最大の武器は、対人能力にあり

 ジューレは、ホッフェンハイムの下部組織出身。世代別ドイツ代表に毎年名を連ね、18歳の頃からコンスタントにトップチームでリーグ戦出場を重ねた。

 ホッフェンハイムの青年監督ユリアン・ナーゲルスマンの下でさらなる成長を遂げたジューレは、2017年夏に約2000万ユーロでバイエルンへと移籍。故障がちなJ.ボアテンクとフンメルスのCBコンビを差し置いて、昨季はリーグ戦27試合、今季は31試合に出場。安定したパフォーマンスを見せている。

 身長195cmと大柄なジューレは、空中戦では無類の強さを発揮する。反面、アジリティに欠けるのが玉にキズだが、それ以外の能力は押しなべて高水準である万能型だ。トップスピードは、CBの中でもトップクラス。カバーリングやビルドアップもそつなくこなすことができるが、彼の最大の武器は対人守備だろう。

 フィジカルコンタクトの強さだけでなく、敵の脚からボールが離れた瞬間を狙った奪取やシュートブロック、タイミングの妙と技術を駆使したディフェンスは、敵アタッカーを次々とシャットアウトする。

特徴的なタスクは、「キミッヒ番」

 そんなジューレのバイエルンでの特徴的なタスクとして、攻撃的SBジョシュア・キミッヒの背後のケア、そしてビルドアップ時の「引き付け役」が挙げられる。

 バイエルンにとって、キミッヒのアシスト能力は大きな武器となっている。ただ、そのキミッヒが前線と絡み、精度の高いクロスボールを上げるためには、彼の背後のスペースを確実にケアする必要がある。

 バイエルンでキミッヒの背後のケアを行なうのは、ジューレの役目だ。カバーリングも得意とするジューレは、キミッヒの空けたスペース寄りにポジションを移し、侵入してきたアタッカーがドリブルを開始する前に奪取を試みる。スペースが広大で寄せきれなかった場合は、残ったDFの数、相手の数、周囲の状況を踏まえて、距離を詰めるか制限をかけつつ遅らせるかの判断を行なう。

 制限をかけつつ遅らせる判断をした場合はボールホルダーと、そして隣り合う味方と一定の距離を保ちつつ後退。相手のドリブルが大きくなれば奪取に出るが、それよりもまず味方と連係をとり、間や背後を通されないようにする。自身の背後に抜けようとする選手に対してはポジションを微調整してパスコースに入りつつ、オフサイド位置に抜けてしまうのを待つ。

 ボールホルダーと、背後に抜けようとする選手を同一視野に入れることは困難である。そのためジューレは後退する際、頻繁に首を振っている。首を振るタイミングは、ボールホルダーがドリブル中ボールタッチをした直後、脚からボールが離れた瞬間だ。ボールが脚から離れた瞬間は、ホルダーはアクションを起こすことができない。

 この瞬間を逃さずに首を振り、裏に入ろうとする選手の位置を的確に捉え、ポジション修正やマークの受け渡しを行なう。

 ペナルティエリア手前まで来たら、後退から迎撃に移る。ここで敵が横パスを選択すれば、味方が戻る時間をさらに稼ぐことができる。

 縦パスを選択した場合は、スピードを活かしてフィジカルコンタクトを試みるか、シュートモーションに合わせて距離を詰め、シュートブロックに向かう。さらに深くドリブルで侵入する選手に対してはマイナスのクロスを警戒する。両腕を隠し、残した左脚にマイナスクロスを当てて敵の攻撃をせき止めるシーンは今シーズン何度も見られた。

 キミッヒがDFながらブンデスリーガ2位の13アシストを記録できたのも、ジューレが背後を的確にケアしていたことが影響しているといえるだろう。

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最終更新:6/13(木) 13:24
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