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区分所有者に「ベランダ」の所有権はあるのか?判例で解説

6/13(木) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

一戸建ての特家住宅や賃貸住宅と並んで、ごく一般的な住宅となっているマンション。そのため、私法としても、「マンション法」は重要な法分野となっています。本連載は、早稲田大学法科大学院教授・鎌野邦樹氏の著書『マンション法案内 第2版』(勁草書房)より一部を抜粋し、マンション購入の基礎知識、居住地の財産関係をはじめとした法律問題をわかりやすく解説します。本記事では、ベランダや管理室における所有権について見ていきます。

マンションの規約ごとに異なる「共用部分の範囲」

◆標準管理規約に定める共用部分の範囲

マンション標準管理規約(国土交通省のホームページ内においての「マンション」などの検索で閲覧が可能です)では、単棟型マンションの共用部分に該当するものの例として、(1)内外壁、床スラブ、バルコニー、ベランダなどの「建物の部分」、(2)エレベーター設備、電気設備、配線配管(給水管については、本管から各住戸メイターを含む部分、雑排水管および汚水管については、配管継手および立て管)などの「建物の附属物」、および(3)管理事務所、集会室などがあげられています(別表第2)。

もちろん、マンションによっては、そこに掲げられているもの以外の共用部分がありますし、また、マンションの構造によっては、そこに掲げられているものでも、共用部分とはならない場合もありえます。

◆共用部分か専有部分かが争われた事例

実際には、そのマンションにおける建物部分が共用部分なのか専有部分なのか一見して明らかではない場合が少なくありません。その建物部分が、専有部分であったらそれだけ自己の財産の範囲は拡大しますが、他方、その修理・修繕等は基本的に自分の費用負担で行わなければならず、また、その部分に起因する損害を第三者に与えたときには損害賠償に応じなければなりません。

区分所有者は、普段は建物の一つひとつの部分について専有部分であるか共用部分であるかについては気にとめていませんが、上のような問題が生じた場合などには、これが争われることになります。建物内の車庫部分や天井裏に配管されていた給排水管の裁判例については、本連載第9回と第10回で述べましたが、以下では、「ベランダ・バルコニー」と「管理室・管理人室」の裁判例についてみてみましょう(上でみたように、標準管理規約では「共用部分の範囲」に含まれるとされています)(関連記事 『購入したマンションの所有権…「車庫部分にマンホール」の判例』 、 『マンションの一室を購入…物置やトランクルームの「権利」は?』 参照)。

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最終更新:6/13(木) 12:00
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