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業界変革で需要が高まる「物流施設」…供給過多の懸念解消へ

6/13(木) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

今回は、オフィスや物流施設、リテール(路面店舗)などについて、2018年のマーケットを振り返ると共に、2019年以降の見通しをまとめた特別レポート「不動産マーケットアウトルック2019」から抜粋し、物流施設マーケットの現状と今後の展望について紹介します。※ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社のシービーアールイー株式会社(CBRE)。本連載では、そのリサーチ部門が世界の不動産市場の最新情報をお伝えします。

「eコマース」の成長で拡大が続く物流センター市場

eコマースに象徴される消費社会の変化は、物流量の増大につながっている。そして、人手不足を背景に、物流拠点の再配置や自動化投資など、物流機能も大きな変革期を迎えている。今や重要な社会インフラのひとつである物流の量と質の変化を吸収し、大型物流不動産マーケットは2020年まで堅調な拡大を続けるだろう。

日本のeコマースの販売額は2017年に16兆5,000億円を超え、EC化率は5.8%(経済産業省)まで上昇した。しかし、米国のEC化率8.9%(U.S. Census)と比較するとまだ低く、日本のeコマース市場にはいまだ成長の余地があろう。大手eコマースは商品の品揃えを増やすことによって、店舗中心の小売業やメーカーはeコマース対応にシフトすることによって、倉庫需要のドライバーであり続けている。

また、商品の補充を配送に頼るコンビニエンスストアやドラッグストアなどの小型店舗は増え続け、物流センターを拡充し続けている。そしていずれの業態においても、雇用不足対策のための自動化装置やロボティクスの活用を積極的に図ろうとしている。これらが、先進的な大型物流施設の需要拡大の背景にある。

一方で、トラックドライバーは不足し、輸送費は高騰している。そのため、全国の消費地に近い場所に物流の拠点を開設するなど、拠点戦略の見直しが急務になっている。地方中核都市の周辺でも、在庫容量を増やすため物流センターを拡充する機運が高まっている。こうした物流業界の状況こそが、大型物流施設への旺盛なニーズにつながっている。まとまった面積を確保するために、竣工前の物件を物色する傾向が強まっているため、立地や設備仕様が優れた物件のリーシングペースは加速している。

現在の需要拡大は、景気回復というよりもむしろ、物流業界の構造的な変化によるものであるといえる。したがって、首都圏、近畿圏、中部圏いずれにおいても、高水準の供給が続くにも関わらず、需給バランスが大きく崩れることはなさそうだ。

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最終更新:6/13(木) 13:00
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