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暴言や失言でも「維新」が支持を失わない理由

6/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

政治資金問題で前市長が辞職したことに伴う、6月9日の大阪府堺市長選で、地域政党「大阪維新の会」の新人、永藤英機氏が当選を果たした。4月に行われた市長・知事が入れ替わった大阪府・市の首長ダブル「クロス」選でも勝利を収めた大阪維新の会。今回の堺市長選では、一度否決されたにもかかわらず再度の住民投票を訴えている「大阪都構想」を前面には出さなかったものの、来年の秋には2度目の住民投票が実施される予定である。

一方、国政政党の「日本維新の会」に関しては、北方領土をめぐる「戦争発言」で除名となった丸山穂高衆議院議員、被差別部落への差別を助長する発言をした問題で参院選に立候補予定だった長谷川豊氏の公認を停止し、長谷川氏自身も公認を辞退するなどの問題を生じ、支持率も低迷している。
にもかかわらず、なぜ「維新」は大阪で支持されているのか。東京など大阪以外でもこうした現象は起こりうるのか。このほど、『緊急検証 大阪市がなくなる』を上梓した吉富有治氏がレポートする。

■既成政党化した「維新」

 4月7日の大阪ダブル選と統一地方選で圧勝した大阪維新の会(以下、維新)。彼らはダブル選で大阪府知事と大阪市長のいすを守り、統一地方選では大阪府議会で単独過半数を獲得、大阪市議会でも第一会派を維持した。

 その圧倒的な強さは6月9日に投開票された堺市長選でも証明された。維新は、前回2017年9月の市長選で竹山修身・前市長に敗れた元大阪府議の永藤英機氏を擁立し、3度目の正直で勝利を手にすることができたのだ。

 これまで維新は堺市長選で2度も敗れている。だが、今回は維新に風が吹いていた。そもそもこの選挙のきっかけは、維新の政敵だった竹山修身・前市長によるズサンな政治資金管理が発覚したことだった。前市長の金銭スキャンダルがマスコミや市議会で取り上げられたことで世論は竹山市政に反発し、有権者の怒りを買って前市長は辞任を余儀なくされた。維新にすれば、市民の怒りを追い風にしながら選挙戦に臨むことができたのだ。

 政令市である大阪市を廃止し、東京23区のような特別区を設置する、いわゆる「大阪都構想」(以下、都構想)。維新にとっては最大の目玉政策である。維新陣営は、堺市長選で彼らの政策の1丁目1番地である都構想を争点から意図的に外し、代わりに「金と政治」を声高に叫びながら竹山前市長と彼の応援団だった自民党のデタラメぶりをアピールした。最大の政策を隠したのは、堺市民の都構想に対するアレルギーが大阪市民よりも強いからである。事実、維新が堺市で過去2回も敗退したのは、都構想に反対する堺市民が多かったからだ。

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最終更新:6/13(木) 7:19
東洋経済オンライン

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