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徳川宗家「第19代目」が参院選に出馬 自民党ではなく立憲民主党を選んだ理由

6/13(木) 6:00配信

デイリー新潮

反原発の“お殿様”

 新聞各紙は、政治経済評論家の徳川家広氏(54)が5月28日に会見を開き、今夏、参院選静岡選挙区から出馬すると報じた。まずは朝日新聞(電子版)の「参院選静岡選挙区に徳川家19代目 立憲が擁立発表」からご紹介しよう。

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《立憲民主党は28日、夏の参院選静岡選挙区(改選数2)に、徳川宗家19代目に当たる政治経済評論家の徳川家広氏(54)を公認したと発表した。初代家康が駿府城を居城にしたこともあり、徳川氏は会見で「先祖代々縁が深い。土地勘も愛着もある」と述べた。

 徳川氏は徳川宗家18代当主・恒孝(つねなり)氏の長男。徳川記念財団の理事や家康をまつる久能山東照宮(静岡市駿河区)の祭司を務めている》

 徳川家というだけでもインパクトは充分だが、ご本人の経歴も華やかである。慶応大経済学部を卒業し、アメリカのミシガン大学大学院で経済学、コロンビア大学大学院で政治学の修士を取得した。

 また、国連食糧農業機関(FAO)に勤務後、2001年から日本でフリーの翻訳家として多くの書籍を上梓している。中でもジョージ・ソロス著『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』(講談社)はベストセラーになった。

 しかしながら、“華麗なる経歴”を見れば見るほど、「なぜ立候補するのか?」という素朴な疑問は増すばかりだ。そこでインタビューを依頼し、数々の疑問をぶつけさせてもらった。以下は、その一問一答である。

――改めて、なぜ出馬を決心されたんですか? 

徳川家広氏(以下、徳川):私は19代ですが、16代の徳川家達(1863~1940)は1898(明治31)年に東京市長選に担ぎ出されそうになりました。そこで勝海舟(1823~1899)に相談へ行ったんですね。

 すると勝から「徳川家の人間なのだから、よほどのことがない限り、政治に関わってはならない」とアドバイスされたそうです。

 家達は1884(明治17)年の華族令で侯爵となり、90(明治23)年に帝国議会が開設されると貴族院議員となりました。

 1903(明治36)年から33(昭和8)年までは貴族院議長を務めました。貴族院に選挙はありません。人選は内閣が行い、陛下のご下命で就任いたします。(註:正確には満25歳に達した伯爵・子爵・男爵に叙されている者の同じ爵位の華族による互選で選ばれた)

 その後、家達は「よほどのこと」が起こり、国際政治の表舞台に立ちました。1922(大正11)年に、世界初の軍縮会議となったワシントン軍縮会議で全権を務めたのです。

 会議では保有艦の総排水量比率を、米と英が5に対して日本は3と定められました。更に日英同盟が失効し、米・英・仏・日の四カ国条約を結びました。会議の結果に反発する世論も少なくなかったわけですが、だからこそ家達しかできない仕事だったのではないかと思っております。

 私も、今の日本では「よほどのこと」が起きていると判断して立候補を決断いたしました。今年4月に行われた北海道知事選に出馬するか検討していた際も、同じ問題意識を持っていました。

 日本は少子高齢化から人口減少社会に突入しました。加えて、公文書の改竄や、首相が省庁幹部と面談した際の議事録を作成しない事実が発覚するなど、日本が文明国の座から滑り落ちているという恐怖感を覚えます。怒りではございません。恐怖心です。日本で底なしの堕落と衰退が始まっているという恐怖があって、「これを建て直す必要があります」と有権者に訴える必要性を痛感しているのです。

――出馬会見では“反原発”を訴えました

 そもそも中部電力が持つ発電所のうち、浜岡原発は中電本社からの距離が最も遠いとされております。この姿勢が大問題ですし、危険な状態にあることは言うまでもありません。

 もし浜岡原発がシビアアクシデント(過酷事故)を引き起こせば、静岡県が人口稠密地帯です。更に東京と名古屋、大阪を結ぶ大動脈が壊滅的被害を受けます。もちろん私のルーツという観点からも、他人事ではございません。

 2011年に東日本大震災が発生し、参院選は13年と16年に実施されました。ところが静岡県選挙区で、原発問題は全く争点になっていないわけです。これは非常に問題ではないかと考えております。

 原発の現場レベルでは、メーカーや電力会社、経産省などの関係者であっても、「原子力政策を今のまま継続させることは無理」だと分かっているのではないでしょうか。

 そういう声が表に出ないのは、「確かに日本は原発ゼロにしなければならないが、そうすると自分の仕事はどうなるんだろう?」という不安や、仲間から「反原発を口にするなんて裏切り者だ」と非難されるのが辛いということがあるのだと思います。

 もちろん私は、「電力がなくても幸せに生きられる」などと主張したいわけではありません。そうではなく、「浜岡原発を廃炉とし、その跡地に火力発電所を建設すれば、誰も文句を言わないのではないですか?」と問いかけたいのです。

 世界最先端の火力発電所を建設することは、メーカーにとってもビジネスチャンスです。メイドインジャパンの名にふさわしいものが誕生すれば、世界的なニーズが起こるでしょう。また、日本が世界中で植林事業を行うなど、二酸化炭素の排出問題に関して断固たる姿勢を示すことも重要でしょう。

 日本における原発政策は失敗だったとはっきり受け止める。前向きに打開策、他のエネルギー政策を探す。それを強く訴えれば、静岡県選挙区で有権者の意識、考え方が変わる。それを日本中に広げていく、というのが私のビジョンです。

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最終更新:6/13(木) 6:00
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