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イランは本当に北朝鮮と同じぐらい危険な国なのか?

6/13(木) 6:30配信

Book Bang

「北朝鮮とイランを同列に置くなんておかしな話」――この度、『世界地図を読み直す:協力と均衡の地政学』(新潮選書)を刊行した北岡伸一・国際協力機構(JICA)理事長と、中東・イスラーム研究者の池内恵・東京大学教授が、中東情勢について対談しました。

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池内 中東では紛争が相次いでいます。JICAの活動は、ある程度情勢が安定している国に限られますが、それ以外の紛争地域への関与については、どのように考えているのでしょうか。

北岡 イラクについて言えば、昨年も、シーア派、スンニ派、クルド人の各勢力の議員を日本に招いて、東京、京都、広島を旅しながら、戦後復興と和解について考えてもらう「知見共有セミナー」を開催しました。三派の議員たちが、数日間にわたり一緒にご飯を食べて、寝泊まりする機会などは基本的にないわけで、日本ならではの国際協力だと思います。

池内 パレスチナ紛争についてはどうでしょうか。

北岡 かつてノルウェーがオスロ合意に貢献したように、日本も何かできればいいとは思います。ただ、私は地域の揉め事は当事者同士が主体的に話し合って解決しないとダメだと考えています。外部から圧力をかけて無理やり決めても上手く行かない。日本が出来るのは「知見共有セミナー」のようなささやかなきっかけ作り。もちろん爆弾テロの一発で成果がふっ飛ぶような話ですが、それでも機が熟せば芽が出るかも知れない。

池内 これまでアメリカは一方で軍事力を使い、もう一方で普遍的価値、つまり人権と民主主義を強く主張することによって、中東に関与して来ました。しかしここに来て「中東疲れ」というか、どうも世界には必ずしも民主主義がそのままでは適用可能ではない地域があるらしいと気づき始めたように思います。

北岡 本書で南スーダン問題について書きましたが、アフリカでは、アメリカ流の大統領制民主主義を押し付けて失敗することが多いのです。アフリカは基本的に部族社会ですから、選挙で大統領を決めたら、常に多数派が勝ち、少数部族が不利益を被る。すると少数派はゲリラ戦に走る。部族社会では議会制民主主義にして、議会で部族間による「妥協の政治」が行われるようにした方がいい。

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最終更新:6/13(木) 12:10
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