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グーグルは「Pixel 4」の秘密を自ら“暴露”しても、何の痛手も被らない

6/14(金) 12:14配信

WIRED.jp

デザインよりも重要なもの

グーグルは外観デザインへのこだわりを捨てることで、コンピューターヴィジョンや音声認識、そしておそらくは未来的なジャスチャー認識といった機能への積極的な取り組みに注目を向けることができる。結果としてグーグルにとって中心的な“製品”話題を戻すことができる。つまり、「Android」という製品だ。

人々がPixel 4のデザインに興味がないわけではない。特にPixel 4は前機種から大きな変更があり(長方形のデザインは維持されるが)、その見た目は大いに人々の興味を引いている。

「前機種にあったツートンカラーの背面デザインではなくなっています」と、モバイル業界の動向を追うBayStreet Researchの創業者クリフ・マルドナードは語る。「個人的には、それがPixelのやや劣っている点だったと思います。サムスンのほうが、ずっとデザインが魅力的な端末です。iPhoneは本当に見た目が美しく仕上がっています。今回は正しい方向への一歩だと思いますよ」

グーグルがシェアした画像を見ると、Pixel 4の背面にある正方形の突起部分にデュアルカメラ、フラッシュ、センサーとおぼしきものがあり、指紋センサーはそこにはないようだ。そこがPixel 3との違いだが、正直なところ画像ではそれ以上はわからない。

しかし、それもポイントである。スマートフォンに1,000ドルもの額を払うなら、いずれにしてもケースに入れて保護すべきなのだ。グーグルのユーザーにとってはデザインより、何が内側にあるかのほうが重要なのである。

グーグルはアップルではない

ここではっきりと疑問に思うのは、「それではなぜ、同じような戦略を他社もとらないのか?」ということだ。リークを食い止めるうえで必要なのが「自らリークすること」なら、なぜティム・クックは“iPhone XI”についてまだツイートしていないのだろうか? それは失うものの大きさによるのだ。

まず、デザインが刷新されて明らかに新しい機能をもつ、発売が何カ月も先のスマートフォンを宣伝することで、グーグルは潜在的な顧客に既存モデルの購入を思いとどまらせることになる。「基本的にPixel 3の販売が影響を受けることになります」と、マルドナードは指摘する。アップルは実際に同じような影響を経験しており、そのことをCEOのクックは2017年の「iPhone 8」の発売を前に嘆いていた。

このときクックはCNBCの取材に対し、「新製品に関する多くの噂や記事、情報が飛び交うことで、相当に多くの人が買い控えることになります」と語っていた。リークによってアップルの第2四半期の収益が減少して痛手を受けたことについて、自ら説明したのである。

しかし、グーグルはアップルではなく、PixelはiPhoneでもない。グーグルの最高財務責任者(CFO)であるルース・ポラットは直近の収支報告で、Pixelの売り上げが右肩下がりになっていることを認めたうえで、次のように語っている。

「最近のプレミアムスマートフォン市場においては外部からのプレッシャーが強まっており、業界全体の宣伝活動が過剰になっていることが一部影響しています」。Pixel 3の販売が振るわないのであれば、次世代モデルに世間の注意をそらしても実害はないだろう。

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最終更新:6/14(金) 12:14
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