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相続税の課税対象か否か…判断基準となる「基礎控除額」とは?

6/14(金) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。今回は、相続税の基礎控除について見ていきましょう。

相続税の「基礎控除」とは?

今回は、相続税の基本中の基本である「基礎控除」について解説をしていきます。そもそも、相続税は誰にでもかかる税金ではなく、一定の金額以上の財産を残して亡くなった人にだけかかる税金です。そして、この一定の金額のことを基礎控除といいます。

■そもそも相続税はどのように計算されるのか?

ここに、父、母、長男、長女の4人家族がいたとします。そしてこの度、父が亡くなり相続が発生してしまったとします。今から、この父の相続税を計算していきますが、まず初めすべきことは、父が残した遺産の時価を集計することです。イメージでいうと、下記のような感じです。

遺産の時価とは、ざっくりいうと「換金したらいくらになるか?」ということです。時価の合計額が算定できたら、次のステップに移ります。

次のステップは、先に集計した遺産のボックスに一本の線を引いていきます。この線はなにかというと、これこそが基礎控除の金額です。遺産の時価の合計額のうち、基礎控除までの金額には相続税はかかりません。逆をいうと、遺産の時価の合計額のうち、基礎控除を超えた部分に相続税がかかります。そのことから、遺産がすべて基礎控除に収まる人については、相続税は一切かからないということになります。この場合には、税務署へ申告する必要もありません。

■基礎控除はいくらか?

基礎控除の金額は次の計算式で計算します。

3,000万円+(相続人の人数×600万円)

たとえば次の家族であれば、基礎控除の金額は次のようになります。

簡単ですよね。では、少し難しいクイズをだします。子どものいない夫婦の場合にはどうなるでしょうか?

正解は次のようになります。

子どもや親がいない人が亡くなった場合、相続人は配偶者と兄弟姉妹になります。そして、その兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その相続する権利は甥や姪に継がれます。この相続する権利は兄弟姉妹の配偶者(上の図でいうと兄の妻)には継がれません。結果として、上の図でいうと相続人は、配偶者と甥と姪の合計4人になります。従って基礎控除の金額は5,400万円となります。

ちなみに、上の図の前提で、夫が妻に「全財産を妻に相続させる」と遺言を残していたとします。この場合には、実際に財産を相続する人は妻だけですが、基礎控除の金額5,400万円に変わりはありません。基礎控除の金額は、実際に財産を受け取る人の人数は関係ないのです。

このようなことから、相続税は相続人の人数が多くなれば多くなるほど少なくなるという性質があるのです。この性質は、後々すごく大切になってきますので、繰り返しいいますので、ぜひ覚えてください。なぜ、この考え方がとても大切なのか。この論点は知っているか知らないかだけで、最終的に支払う相続税が何千万円と変わるのです。また、相続人が多くなれば相続税が減るので、孫などを養子縁組して相続税を減らそうとする人もたくさんいます。確かに孫を養子縁組すると相続税は大幅に減ります。一方で注意点もたくさんあるので、別の機会に話します。

■100人亡くなった時に、相続税のかかる人は何人でしょう?

相続税は、基礎控除を超える金額の財産がある人にしか課税されません。それでは、仮に、日本全国で人が100人亡くなった時に、どれくらいの人に相続税が課税されていると思いますか?

正解は、100人中8人です。

これをどう捉えるかは人それぞれですが、この話をしたとき「意外と少ない!」というリアクションをする人が多かったと思います。また、相続税は地域によって課税される人の割合が大きく異なります。東京都23区に住んでいる人だと、100人中20人近くの人に相続税がかかっているという話もあります。

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最終更新:6/14(金) 13:51
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