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スターアジアvs.さくら、Jリート再編劇の行方

6/14(金) 5:00配信

東洋経済オンライン

 株式市場に隠れがちなJ-REIT(上場不動産投資信託)市場が、久々に注目を浴びている。

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 去る5月10日、スターアジア不動産投資法人の運用会社は、投資口の約3.6%を保有するさくら総合リート投資法人との合併を提案したと発表した。さくら側は翌週の17日、合併に反対する見解を表明。「REIT史上例がない」(REIT市場に詳しい証券アナリスト)といわれる、事前同意のない敵対的買収劇が幕を切って落とされた。

■「さくらはガバナンスが機能していない」

 6月13日時点でのさくらの資産規模は18物件575億円、スターアジアは34物件1023億円とREITとしてはどちらも小規模だ。さくらはなぜ、買収のターゲットにされたのだろうか。

 昨年6月28日、さくらは札幌市内の商業施設を16.4億円で売却し、約1.4億円の売却益を得た。ところが、並行して進めていた公募増資による新規物件取得に失敗。この際、物件売却益が公募増資手続きにかかった手数料で相殺された点をスターアジアは問題視する。

 スターアジアグループの杉原亨氏は「ガバナンスが機能しておらず、われわれが代わりに運用をしたほうが高いパフォーマンスを出せる」と話す。また、スターアジア側は否定しているが、「敵対的買収を仕掛けると、関連する企業との関係がギクシャクする。その点、外資系なら取引関係が薄く、けんかをしても影響が薄いと判断したのではないか」(証券アナリスト)という指摘もある。

 こうしてスターアジアグループは昨年11月2日、さくらの投資口約3.6%を取得した。さくら側はスターアジアに対して保有目的を問い合わせたものの、回答はなかった。スターアジア側は「合併交渉を行っても、さくら側は自己保身に走るだけ」(杉原氏)とし、事前交渉抜きの合併提案に踏み切った。

 合併をめぐる一連の騒動は、REITを取り巻く苦境を象徴している。

 日本の不動産価格は近年上昇を続け、純収益を物件価格で割った利回りには下押し圧力がかかる。ある不動産ファンドの社長は「物件取得の基準には期待利回りで4%台を念頭に置いているが、(投資基準に)合う物件はそうそうない」と話す。

 2016年9月の上場以来、合併提案を受けるまでにさくらが新規取得した物件はわずか1件。物件取得の失敗を差し引いても、さくらにとって成長の道筋が描きづらい状況に変わりはない。

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最終更新:6/14(金) 11:20
東洋経済オンライン

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