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映像と音楽を浴びる快感が伝えるメッセージ 『海獣の子供』の劇場体験

6/15(土) 9:10配信

otocoto

自分ではそれなりの数のアニメ映画を映画館で見てきたと思っている。その中で「アニメファンではないが面白い作品があるなら見たい」という友人に気に入った作品を薦めるとき、毎度悩むことがある。相手の見てもいいと思っているアニメというのはどういうものか。ジブリなどの一般的なものなのか、それともアニメファン向けの作品でもOKなのか。さらに劇場作品の場合(これはアニメに限らず実写映画を薦める場合もだが)「ナゼ、映画館で見ることを薦めるのか」だ。

「映画は映画館で見るものだから」という原理主義的な映画ファンもいるだろう。しかし世の多くの、たまに映画館に来るくらいの人にとってはそれはアプローチしない。そこで引き合いにしやすいのは画面の大きさや音響だ。「とにかく大画面で迫力があるぞ!」「音がスゴいぞ!」というのはわかりやすいお勧めポイントになる。実際、そういうことが魅力の作品は数多くある。が、本当に映画館で見ることの魅力は“迫力”だけなのか。映画ファンとしても長年の疑問で悩むこともあるのだが、そんな中、新作アニメ映画『海獣の子供』を見てしまった。

周囲となじめない14歳の少女・琉花が、ジュゴンに育てられたという2人の少年と出会ったことから、不思議な夏を経験することになる。

開幕からすぐさま釘付けとなった。実はこの時点では原作未読であったので“夏休みもの”の作品なのかと思ったのだが、物語は予想外の展開を見せ、主人公・琉花は海の広大さ、そこに満ちる生命の大きさを知り、やがて壮大な生命誕生の目撃者となっていく。

スクリーンから劇場内へと溢れ出るとてつもない大きさの画。そこに久石譲による音楽がかぶさり、描かれる生命誕生や宇宙を感じさせてくれる。映像と音楽のイマジネーションに客席が飲み込まれていく感覚はあまりにも未知の体験で、背筋を電流のように駆け上がっていく興奮に浸っていると、2時間があっという間だった。

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最終更新:6/15(土) 9:10
otocoto

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