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600年以上前の城壁や町の形がそのまま残っている「城郭都市」|世界遺産「平遥古城」を歩く(中国・山西省)

6/15(土) 6:02配信

サライ.jp

南門(迎熏門)と北門(拱極門)からは城壁に登ることができます。平遥古城には、政務を司った建物を中心に4本の大通り、8本の裏通り、72本の路地が通っています。全体的には方形ながら、南面は城壁が曲げられ不規則な形状をしているのが特徴的です。

城壁内部にひしめく伝統的建築物めぐり

城壁内部には伝統的建築物が数多く立っています。町のシンボル的存在なのが、平遥古城の中心に立つ三層の楼閣、「市楼(しろう)」です。昔、楼閣の下で市が開かれていたことから市楼と呼ばれるようになりました。

中国初の銀行である「日昇昌(にっしょうしょう)」も威厳ある建物。銀行の前身に当たる「票号(ひょうごう)」として、私的な金融機関を創業しました。1823年の創業以来、平遥や周辺の都市で票号が盛んになり、発行した手形は当時では珍しいにも関わらず、中国各地で換金できました。平遥は経済活動の盛んな町でもあったのです。

平遥古城のメインストリートである南大街の東側には、平遥古城の守り神である城隍廟(じょうこうびょう)や孔子を祀る文廟(ぶんびょう)が配され、西側には元代から清代まで平遥の官庁所在地であった古衙署(こがしょう)が配されています。城隍廟は、城郭都市の外周に作られる「城」(城壁)と「隍」(堀)に対する信仰に始まります。また、文廟の一部は「科挙博物館」になっており、隋代から清代まで約1300年間にわたって行われた官僚登用試験、科挙について深く知ることができます。

平遥古城で暮らす人々のたくましい姿

まるで明代や清代に迷い込んだような光景が広がる平遥古城は、単なる観光地ではなく、今もなお多くの人々が暮らす場でもあります。散策をしていると、城門に吸い込まれるように入っていくバイク群や、城壁に守られるように並ぶ民家に出合うなど、城郭都市の中で営まれている生活にふれられます。

にぎやかな大通りから外れた住宅街では、中国北部の伝統的な建築様式である「四合院(しごういん)」建築が立ち並びます。敷地の中央に中庭を設け、囲むように四方向に建物が配されています。修理中の民家や建物も多くあり、修理にともなう土っぽさや砂埃さえも平遥古城ならではの空気のように感じられてきます。

吸い込まれるように、城門をくぐるバイクの姿が絶えない
600年以上もの間、町の形や機能をほとんど変えずに残っている平遥古城。世界遺産の歴史ある町並みはもちろんのこと、今もたくましく暮らす人々の姿も、平遥古城ならではの光景です。実際に散策して体感されてみてはいかがでしょうか。
(2019年2月下旬取材)

写真・文/藪内成基
奈良県出身。国内・海外で年間100以上の城を訪ね、「城と旅」をテーマに執筆・撮影。主に「城びと」(東北新社)へ記事を寄稿。異業種とコラボし、城を楽しむ体験プログラムを実施している。

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最終更新:6/15(土) 7:26
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