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これからの人工知能を、もっと「人間中心」に──気鋭のAI研究者、新しい研究所を立ち上げた理由を語る

6/15(土) 15:10配信

WIRED.jp

人工知能(AI)は、いまのままでは必ずしも世界をよりよいものにするとは限らない──。ロボットが人間の仕事を奪うといった懸念が絶えないなか、気鋭のAI研究者として知られるリー・フェイフェイ(李飛飛)が、スタンフォード大学で新たな研究所を立ち上げた。なぜ、この「人間中心のAI」を提唱し模索する研究所の創設に至ったのか。そして何を実現しようと考えているのか、リーに訊いた。

グーグル時代に得たこととは?

AI研究の第一人者であるリー・フェイフェイ(李飛飛)は、ネコの脳細胞からパチパチという奇妙な音が聞こえてきたときのことを、いまもよく覚えている。それは数十年前のことだった。

研究者たちがネコの脳に電極を挿入し、その電極をスピーカーに接続したのだ。すると、ニューロンの発火する音がプリンストン大学の実験室に響き渡った。「哺乳類の視覚系の交響曲が奏でられたのです」と、いまはスタンフォード大学の教授を務める彼女は振り返る。

この「脳が奏でる音楽」がきっかけで、リーは知能の研究に没頭することになった。物理学科の学生だった彼女は、やがて人工知能(AI)の専門家となり、最近のAIブームや、自律走行車をはじめとするAIの活用を後押ししてきた。だが、ここにきてリーは、自身が普及に貢献してきたAIという技術が、世界を必ずしもよいものにするわけではないかもしれないことを懸念している。

スタンフォード大学における「人間中心のAI研究所(Institute for Human-Centered Artificial Intelligence:HAI)」の開設記念シンポジウムで、リーは創設者兼共同ディレクターとして基調講演した。また、ビル・ゲイツを含む産学界の大物が、AIがどのように社会を形成するかを議論し、聴衆のなかにはヘンリー・キッシンジャーや米ヤフー最高経営責任者(CEO)だったマリッサ・メイヤーなど、シリコンヴァレー内外の著名人らの姿もあった。

HAIは今後、政府や財政に基づく意志決定でアルゴリズムが使われる場合に公平性をどのように担保するかという課題や、AIを利用する際に必要となる新しい規制はどのようなものかといった問題を扱うことになる。

なぜいま、AI研究を新しい方向に導く必要性があるのだろうか。リーはシンポジウムのあと、『WIRED』US版にその理由を語ってくれた。

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最終更新:6/15(土) 15:10
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