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閉経後の骨粗しょう症。婦人科医が教える予防のためのポイント2つ

6/15(土) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

 閉経とともに低下し始める骨密度。でもその低下速度を遅くすることは可能です。女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニックを目指し、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている『成城松村クリニック』の松村圭子院長が、正しい骨密度の上げ方について解説してくれました!

shumamaさんからの質問

Q. 日常の中でおこないやすい、骨密度を上げる方法は?  

骨粗鬆症のことが気になります、41歳ですが、検査で骨密度が低いと出ました。更年期を迎える前から、日常に取り入れやすい骨密度をあげる方法が知りたいです。


特別ゲスト 松村圭子先生の回答

A. ただカルシウムの多い食品を食べても効果的に体に吸収されないのです!

残念ながら、女性は更年期以降、骨密度が急激に落ちる、というのが実情です。骨は女性ホルモンによって守られているのですが、閉経すると女性ホルモンがほとんど出なくなりますから、骨密度が低下して骨粗鬆症になりやすくなるのです。閉経してから10年で骨密度は20%落ちる、とも言われているのです。

ただ下がるといっても、その傾きを緩やかにすることはできますから、努力をすることは大事です。その鍵は、やはり食事と運動にあります。運動がなぜ効果的かといいますと、運動をすることで骨を作る細胞が刺激され、そして骨が作られる、というサイクルがあるからです。

そしてやはり、重要なのは食事です。食事はとにかく大事! ただし効果的な食事法となると、意外とよく知られていないのが実情です。皆さん、「骨といえばカルシウム」と思われていますよね? そのため「牛乳を毎日飲んでいます」とおっしゃる方は多くいらっしゃるのですが、実は牛乳のカルシウムって、体に吸収される率は4割くらいなのです。牛乳よりも、ヨーグルトのほうが吸収率は良いのですね。乳酸がくっついて乳酸カルシウムになると、体に吸収されやすいという仕組みがあるからです。

またカルシウムは、小魚や野菜など様々な食品に含まれています。ただ、カルシウムというのは、体への吸収率があまり良くない栄養素。そこで重要になってくるのがビタミンDです。一緒に摂ることで、カルシウムの吸収率を高めてくれるのです。そのビタミンDは紫外線によって皮膚で作られるのですが、食べ物も、干したものに多く含まれています。たとえば干しシイタケやキクラゲなど。あとは、鮭にも多く含まれています。そういったビタミンD食材もしっかり摂ることで、カルシウムの吸収率の悪さを補うようにされると良いでしょう。 

 もう一つのポイントは、タンパク質です。タンパク質は骨の土台ですから。骨を鉄筋コンクリートにたとえますと、土台となる鉄骨がタンパク質で、鉄骨を補強しているコンクリートがカルシウムなのですね。つまり、いくらカルシウムをたくさん摂取しても、土台となるタンパク質をしっかり補ってあげないことには骨は強くならないということ。水分を除くと、体の構成要素のほとんどはタンパク質なのですね。骨も同じです。このことからも、タンパク質をしっかり摂ることの大切さがお分かりいただけると思います。

牛乳にはたしかにタンパク質も豊富に含まれていますが、そればかりですと栄養は偏ります。ですから良質のタンパク質であるお肉やお魚はもちろん、チーズやヨーグルトといった乳製品、豆製品、そして卵。これらを毎食の料理に取り入れることをお勧めします。また、カルシウムを骨にコーティングしてくれる役割を持つビタミンKも、しっかり摂られてください。ビタミンKは、納豆や、小松菜といった葉っぱ類に多く含まれています。

このように食事に気を遣うことと、そして運動をして骨に刺激を与え続けること。日常生活においてこの2つに気をつけることが、更年期以降の骨の健康を大きく左右することになってきます。

骨粗しょう症になるとやっかいなのは、骨折を引き起こすことです。日本女性の平均寿命は世界一ですが、実は健康寿命となるとそれより約12歳も低いのです。多くの女性が、最後の12年は認知症や心筋梗塞、脳梗塞、そして骨粗しょう症による骨折などによって、介助が必要になったり寝たきりになってしまうのです。その実態を知ると、骨がいかに大事かということが分かっていただけるのではないかと思います。
 

PROFILE松村圭子(まつむらけいこ)1969年生まれ。広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科学教室入局後、2010年に成城松村クリニックを開業。「女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニック」を目指して、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている。また『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など著書も多数。 この人の回答一覧を見る山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る 取材・文/山本奈緒子 

松村 圭子

最終更新:6/15(土) 14:30
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