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廊下、階段室…区分所有者が「共用部分」に持つ権利とは?

6/15(土) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

一戸建ての特家住宅や賃貸住宅と並んで、ごく一般的な住宅となっているマンション。そのため、私法としても、「マンション法」は重要な法分野となっています。本連載は、早稲田大学法科大学院教授・鎌野邦樹氏の著書『マンション法案内 第2版』(勁草書房)より一部を抜粋し、マンション購入の基礎知識、居住地の財産関係をはじめとした法律問題をわかりやすく解説します。本記事では、入居者が「共用部分」に所有する権利について見ていきます。

Aさんは、最近、マンションの305号室を購入しました。廊下、階段室、エレベーターなどはマンション住人全員の所有で、305号室内の床、壁、給排水管などはAさんの所有であると聞いています。それでは、廊下や階段については、どのような権利が発生しているのでしょうか。

区分所有者が共用部分に有する「持分権」

◆共用部分の共有関係

●共用部分の共有──一般の共有との違い

共用部分は、区分所有者の共有に属します(11条1項)。共用部分(一部共用部分も含む)の共有の性質は、民法で規定する一般の共有(249条以下)とは基本的に異なります(12条)。区分所有者は、共用部分について持分を有しますが(14条)、一般の共有の場合、つまり民法の定める共有の場合のように、共用部分の共有部分の分割を請求することはできません。共有物であるからといって、区分所有者が、たとえば廊下や階段室について、分割請求ができるとするのは不合理だからです。

また、一般の共有の場合には、共有者は、自己の持分権を自由に譲渡できますが(共有者A・B・CのうちCが自己の持分権をDに譲渡した場合には、以後はその物はA・B・Dの共有となります)、マンションの共用部分については、その共有持分を専有部分と分離して処分したりすることはできません(15条2項)。

たとえば、共用部分である廊下について、その持分だけが独立に譲渡されても意味がないからです。そして、専有部分を処分した場合には、当然に共用部分の持分もその処分に従い、両者が一体となって処分されます(15条1項)。

なお、区分所有者は、玄関から廊下・階段室・エレベーター室を経て最上階ないし屋上まで通じているような共用部分(法定共用部分)について、これを廊下・階段室等からなる個々の共用部分の集合としてではなく、全体として一個の共用部分として共有し、持分権を有することになります。

たとえば、305号室のAさんの共有持分が15分の1であるとして、Aさんは、廊下について15分の1の所有権、階段室について15分の1の所有権を有するというように個々の共用部分について考えるのではなく、一体としての共用部分について15分の1の所有権(共有持分権)を有していると考えるのです。

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最終更新:6/15(土) 13:00
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