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実践的基礎知識マクロ経済編(3)<GDP成長と景気>

6/15(土) 14:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

GDP成長と景気

国内総生産(GDP)とは、1年間に一国内で生産されたモノ(最終財)とサービスの付加価値の合計額です。では、GDPが増えると国は豊かになるのでしょうか?実は一概にもそうとは言えないようです。そこで、「実質的にどれくらい国が豊かになったか」を測る物差しとして登場するのが実質GDP成長率です。この実質GDP成長率と景気の関係について見ていきましょう。

国が豊かになるとは?

今回もバナナ共和国の例を通じて、国が豊かになるとはどういうことかを考えていきます。前回、バナナ共和国には新たな住民が増え、経済の効率が上がることでGDPが増えた例を紹介しました。今回はGDPが増加することと国が豊かになることの関係を見ていきましょう。

最も簡単にGDPを増やす方法は、インフレを起こすことです。たとえば、インフレ政策により突然あらゆるモノの値段が一斉に2倍になったとすると、全員の売り上げと、原価とコスト、そして利益が全て2倍になりますので、GDPも2倍になります。

そうすると確かにGDPは2倍になりますが、稼いだお金で買えるモノの値段も同時に2倍になっています。そのため、稼げるお金が2倍になっても、買えるモノの数量は変わらない、すなわち、稼いだお金でモノを買う力は全く変わっていないことになり、結局誰も豊かになっていないことが分かります。これでは国が本当に豊かになった、本当に成長したとは言えません(図表1)。

物価が2倍になることで売上も利益も2倍となりましたが、一方で定食屋の定食は450円から900円に、肉屋の肉も500円から1,000円に他の物品の価格も2倍に上がっているため、モノを買う力は増えていないことになります。

このように、「実質的にどれくらい豊かになったのか」を知るには単なる名目上のGDPの増加率だけを見るのではなく、そこから物価の上昇率を差し引くことで初めて、物価のかさ上げ効果を取り除いて実質的な経済成長を測ることができるのです。

今回の例でいえば、

実質成長率=名目成長率-インフレ率

=100%-100%

=0%

というように、名目成長率が100%でも、実質成長率は0%と、実質的には全く成長していないことが分かります。

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最終更新:7/22(月) 15:18
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