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石原裕次郎愛用のキャンピングカーを「ヤフオク」で490万円で落札した男

6/15(土) 5:57配信

デイリー新潮

 今年は石原裕次郎の三十三回忌。その節目に彼の愛車がネットオークションで競り落とされた。昭和の大スターが没してから落札されるまでに、クルマはどんな運命をたどってきたのか。

「ヤフオク!」に出品された〈石原裕次郎キッチンカー シビリアン〉が、490万3千円で落札された。4月20日のことである。

 この、日産のキャンピングカーは「太陽にほえろ!」や「西部警察」などの撮影現場でロケバスとして使われ、病に倒れた裕次郎の入院先でも寄り添った。病院を訪れたファンが車体に激励メッセージを書き込んだクルマとして知られる。

 石原プロモーションが購入したのは1980年。車体は500万円ほどだが、内装にかけられた額はなんと約3千万円! キッチンはもちろん、シャワーやトイレ、テレビに電話、仮眠用のソファーなど当時の最新設備が整う。

 なによりの目玉は、運転席のうしろの“キャプテンシート”。メイク用の鏡台も設えられた、裕次郎がいつも座っていた席である。

 これらがほぼ当時の姿で出品されたのだ。が、裕次郎の歴史が刻まれた一台には、知られざる逸話があった。

1960年ごろから

 石原プロの浅野謙治郎専務が明かす。

「実は、あのシビリアンは、解体する予定でした。裕次郎さんが亡くなってからは大きな倉庫に保管していたのですが、数年前にそこを引き払い、事務所近くの駐車場に置いていたのです。長いこと雨ざらしだったので錆だらけで動かなくなっていました。解体屋に出したあと、ファンの方がわざわざ九州から事務所に来られてね。大事にしてくださるというから、昨年の春、無償でお譲りしました」

 譲り受けた男性(49)に訊ねると、

「私は車の部品販売などの仕事もしていて、その筋から解体予定との情報を教えてもらいました。内装をクリーニングして錆やエンジンも直し、車検を取りました。排ガス規制もクリアして、全国どこでも乗れるようにもしましてね。ふだん乗り回しはしませんでしたけど、熊本と宮崎でクラシックカーの集まりに出したりしてはいたんですよ」

 ところが、新たに立ち上げる事業で資金が必要となった。男性はヤフオク出品前に石原プロに赴き、承諾を得たという。落札したのは、愛知県内で車の整備や修理を手がける「植田自動車」の植田邦仁社長。御年72歳、筋金入りの裕次郎ファンである。話を聞こう。

「1960年ごろからだからね。当時、ジュークボックスで裕次郎ばっかり流れていて、好きになりました。映画も好きだけど、やっぱり歌が好き。いまもカラオケでは裕次郎しか歌わん。『泣かせるぜ』とか『恋の町札幌』ね。デュエットはもちろん“銀恋”です」

 オークションのことを知ったのは、たまたまだった。

「テレビの裕次郎特集を見ていたら、最後にちらっと、この車が出品中と出た。その瞬間、いつ死ぬか分からんから、欲しいもんは買ったほうがいいと思ったんです。内装も外装も当時のままですけど、ホイールとかを少し直したいので、まだちょっとしか乗ってません。テレビはオリジナルのままがいい。地デジのアンテナをつけようと思っとるよ。7月に開く会社のバーベキュー大会で、みんなに見せようと思っています」

 サングラスやブランデーグラスなんかの小物も揃えるのだろうか。

「週刊新潮」2019年6月13日号 掲載

新潮社

最終更新:6/15(土) 5:57
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