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「X-MEN」シリーズの混沌としたタイムラインを徹底解説

6/16(日) 21:42配信

エスクァイア

『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』

 この映画は、シリーズの主要なストーリー展開からの大きな逸脱でした。覚えておきたいのは、この時点では依然として1つの同じタイムライン上で物語が描かれており、多次元的な要素もないということです。 
 
 『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』はプロフェッサーXの全盛期であった1960年代の話にさかのぼり、新たにジェームズ・マカヴォイ演じるプロフェッサーXとマイケル・ファスベンダー演じるマグニートーの2人が自分たちの能力を学び、お互いを知るようになる経緯が描かれます。 
 
 ヒュー・ジャックマンが主役でない初のシリーズ作品となった『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』では、プロフェッサーXによる「恵まれし子らの学園」創設につながった出来事や、チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)が歩けなくなった過程なども明らかになります。

 そうして最初の大きな矛盾が生まれたのが、この映画だったのです。

 『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』でのエマ・フロストは、ジャニュアリー・ジョーンズが演じています。が、彼女は大人の女性です。しかしながら、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』では、エマは25年後の1979年の時点でティーンネイジャーなのです。

 また、チャールズ・エグゼビアは、この映画の中で歩けなくなってしまいますが、『X-MEN ZERO』の最後では何の問題もなく歩いています。

『X-MEN: フューチャー&パスト』

 さらに、物語がおかしな方向へと脱線していくのは、この映画からです。

 『X-MEN: フューチャー&パスト』は、これまでのタイムライン上の遠い未来を舞台にしています。映画の中で2023年として描かれる世界では、センチネルというロボット軍団が人類にとって悪夢のようなディストピア的未来をもたらしており、ミュータントたちは絶滅の危機に瀕しています。 
 
 『X-MEN: フューチャー&パスト』では、シリーズの2大スターキャスト軍団が共演しており、パトリック・スチュワートとイアン・マッケラン率いる初期「X-MEN」のキャストたちは未来の世界に、ジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダー率いる『ファースト・ジェネレーション』のキャストたちは同作から直接つながる1973年の世界に登場します。

 また、ヒュー・ジャックマンもウルヴァリンとしてシリーズに復帰し、この地獄のような未来の原因となった出来事を止めるため、70年代の自らの体に精神を送り返されるのです。 
 
 この映画は、「X-MEN」をある意味で矛盾だらけのシリーズにしてしまいました。『X-MEN: フューチャー&パスト』の中では、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』で起こったあらゆることが事実上無視され、ローガンが多くのミュータントに初めて会ったかのように描かれています。

 ミュータントたちがセンチネルによる地球の支配の阻止に成功すると、シリーズはまったく新たなタイムラインをつくり出し、70年代から現代に至るまでの出来事は完全にうやむやになってしまいうのですから…。

 映画の最後では、腹立たしいことに若きウィリアム・ストライカーがウルヴァリンを初めて発見し、自らの「ウェポンX」の実験のためにその身柄を引き受けます。この展開はすでに起こったことではないでしょうか?

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最終更新:6/19(水) 19:25
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