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江戸時代を生きた祖先が判明!? 戸籍から「家系図」を作る方法

6/16(日) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

今回は前回に続き、家系図作成講座を受講した女子高生の葛西美々(かさい・みみ)の物語から、古い戸籍から読み取れることを具体的に見ていきましょう。※本連載は、家系図作成代行センター株式会社代表・渡辺宗貴氏の著書『わたしの家系図物語(ヒストリエ) 』(時事通信社)から一部を抜粋し、物語形式で具体的な家系図の作り方を見ていきます。

戸籍を辿り続け、ついに「200年前」の先祖を発見!

<登場人物>

葛西 美々(かさい みみ)

戸籍を見て先祖に興味を持ち、家系図作りに取り組む高校3年生。素直で真面目な性格。

筧 探(かけい さぐる)

「家系図作成講座」の講師。年齢不詳で、ひょうひょうとした雰囲気。

※本連載では、家系調査をするという目的上、差別的意味合いを含む可能性のある語句を差別的意図ではなく、歴史的用語として用いています。

できるだけ古い戸籍を取得してくること──これが、前回の講座の宿題であった(関連記事『 戦国時代から中世・古代まで…戸籍のない時代の先祖を遡る方法 』)。

江戸時代の先祖の戸籍(図表1)を前に、美々(みみ)は少し感動していた。

天保(てんぽう)・弘化(こうか)・安政(あんせい)…聞きなれない年号。江戸時代の先祖だ。戸主は「葛西○之介」…なんて読むのだろう? その隣は「ふゆ」? 「○八郎」? 「ふみ」?

前回の講座後、清岡区役所の職員さんのアドバイスと、筧(かけい)先生のレジュメを頼りに、釧路(くしろ)市役所に戸籍を請求した。すると、「2代前葛西啓治(けいじ)」…こないだ死んだおじいちゃんが阿寒(あかん=現在の釧路市阿寒)で生まれていることがわかった(図表2)。

釧路市役所に戸籍を請求すると、阿寒(当時の阿寒郡阿寒村)で生まれ、その後いくつか転籍し、結婚・出産を経て釧路市へ。そしてついこないだ86歳で死亡、という祖父・啓治の戸籍上の軌跡がすべてわかった。そもそも父・啓介(けいすけ)から頼まれたのが、相続手続きのために、祖父・啓治が生まれてから死ぬまでの戸籍を取得することなので、ここで任務は終了。

だが、さらに古い戸籍を追ってみた。

「2代前葛西啓治」の前は、「3代前葛西丑蔵」。美々の、ひいおじいちゃんだ。読み方がわからないので父に聞くと、「うしぞう」だと教えてくれた。丑蔵の戸籍には、丑蔵の子どもとして、祖父・啓治とその兄弟姉妹が載っていた。

系図に書き起こす(図表3)。

さらにたどると、「4代前 葛西綱次郎(つなじろう)」が「3代前 葛西丑蔵」を連れて、大正7年に青森県南津軽郡飯柳(いいやなぎ)村というところから、北海道阿寒村字雄別(あざなゆうべつ)に転籍してきたことがわかった。

大正7年は1918年。私の家は100年前に、青森から北海道に来たのか…。

父に聞いてみると、「先祖が東北とは聞いてたけど、詳しくは知らない」とのこと。家系に関する聞き伝えも聞いてみたが、「家紋(かもん)も何も全くわからない」とのこと。ただ、「家老(かろう)だとかなんとか言ってた気がする」とのこと。だが、「家老」というのは殿様に次ぐナンバー2らしく、「うちがそんなに偉いわけないから、どうせ嘘(うそ)だと思うけどな」と笑っていた。そもそも「自分の家系に興味がない」とのこと。

まぁ、それはわかってたんだけどさ…なんとなく。とうちゃんは、じいちゃんをあまり好きじゃなかったんだもんな…。

綱次郎や丑蔵の兄弟姉妹を系図に書き足した(図表4)。

父の関心は得られなくとも、釧路市の役所に請求した要領で、青森県の板田町役場にさらに古い戸籍を請求してみた。

「4代前 葛西綱次郎」の父は「5代前 葛西○八郎」。○はなんていう字だろう?

ここまでは自力で系図に書き起こしてきたが、筆書きで読み取れない字も出てくるし、親子だけでなく、そのとき一緒に住んでいたであろう家族がすべて記載されていて、何がなんだかわからなくなってきた。「5代前 葛西○八郎」の父が「6代前 葛西〇之助」。「6代前 葛西〇之助」の前も同じ名前に見えるので、7代前も「〇之助」なのかな。

この戸籍を発行してくれた青森県の板田町役場によると、これ以上古い戸籍はないという。戸籍ではここが限界点のようだ。戸籍でわかる一番古い人名が、「7代前 葛西〇之助」。「6代前 葛西〇之助」が生まれた天保7(1836)年は、180年ほど前。ということは、「7代前 葛西〇之助」は200年ほど前の先祖だ!

「7代前とはすごいねぇ」

第2回家系図講座の開始前、美々はちやほやされていた。小さいころから生真面目で素直な美々は、男女問わず大人にかわいがられる。美々には読めなかった「葛西○八郎」と「葛西〇之助」は、『くずし字用例辞典』を持ってきていた年配の受講者から教えてもらえた。それぞれ「権」「松」の旧字らしい。直系先祖を抜き書きしてみた。

本籍地 青森県南津軽郡飯柳村五十五番戸

7代前 葛西松之助 生年不明(200年ほど前?)

6代前 葛西松之助 天保7年生まれ

5代前 葛西権八郎 弘化4年生まれ

4代前 葛西綱次郎 明治9年生まれ

3代前 葛西丑蔵  明治34年生まれ

2代前 葛西啓治  昭和7年生まれ

1代前 葛西啓介  昭和38年生まれ

 本人  葛西美々  平成12年生まれ

今回も30人近く来ているが、美々のように一番古い戸籍まで取得してきたのは数名のようだ。戸籍の請求は決して難しくはないが、結構、手間暇がかかる。途中で挫折(ざせつ)した人もいれば、まだ時間がかかっている人もいる。取得組で古い戸籍を見せ合う。微妙に引っ込み思案の美々は、同年代の人の輪に入るには時間がかかるが、ご年配の輪には自然に溶け込める。

一番古い戸籍まで取ってきた人は、3~5代さかのぼれているようだ。美々の7代が最高記録だが、それはそうかもしれない。彼らの大半から見ると、美々は2代下の孫のようなもの。さかのぼる代数で競うなら、最初から有利なのだ。

!?…美々はふと思った。

今回戸籍で判明した先祖は、7代前。だけど、いつかもし私に子どもができたら、その子から見たら8代前なのか。今回取った戸籍は、大事に保管しておこう。

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最終更新:6/16(日) 9:00
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