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アニメ『プロメア』 熱血物語×ド派手バトルに圧倒

6/17(月) 7:47配信

NIKKEI STYLE

熱血ロボットアニメの血筋を継承する『天元突破グレンラガン』(2007年)、父の仇(かたき)を探す流浪の女子高生と学園を支配するお嬢様生徒会長が破天荒な剣劇バトルを繰り広げる『キルラキル』(13年)。スピーディーで豪快なアクションと魂を震わせる熱い物語で熱烈なファンを持つ今石洋之監督と脚本の中島かずき。好みもあい、手の内を知り尽くした2人によるタッグ初オリジナル劇場版が『プロメア』だ。

舞台は、突然変異で誕生した炎を操る人々「バーニッシュ」によって世界の半分が消失した“世界大炎上”から30年後。「バーニングレスキュー」の新人隊員・ガロ(声・松山ケンイチ)と、攻撃的集団「マッドバーニッシュ」のリーダー・リオ(声・早乙女太一)の熱い魂がぶつかり合う物語。
企画開始は『キルラキル』終了の半年後。劇場長編は今石監督にとってTRIGGER設立時の野望だったが、脚本段階はこれまでにない難産だったという。
「テレビでは、話数を重ねて展開できますが、劇場版は2時間一本勝負。自分たちの作風を知らない人が見ても楽しめ、なおかつファンも楽しめるアクション映画にしたくて、新しいことと得意技のバランスを考え、丁寧に時間をかけました」(今石監督)
当初の案は、普通の少年が主人公。しかしそれでは、アクションを描くまでに時間がかかる。ディスカッションを重ねるなか、うまく回り始めたのは中島から「炎」というテーマが出てきたこと。「炎は形がない上に、動いていないと表現できないアニメの根源に近いテーマ。SFとしてもアニメーションの題材としても面白い」

「すごいノれるテーマだと思いましたね。炎を操るキャラクターに対峙するなら消防士やレスキュー隊。事件の真っただ中に主体的に関わっていける」と年齢や職業が固まり、「世界観やテーマ、対立構造を、火消しのガロとマッドバーニッシュのリオに集約していった」と言う。
キャストは「中島かずきのセリフを気持ちよく読めること」を最重要に据え、中島が在籍する劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」シリーズや『髑髏城の七人』などの舞台で関わった松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人らにオファー。常連声優に加え「第1希望が全て通った」理想の布陣となった。
一方、絵的には新たな挑戦として作画とCGが融合するスタイルを目指した。美術監督は『メアリと魔女の花』など手描きに定評のある久保友孝(でほぎゃらりー)。「(緻密に描き込むのではなく)ベタ塗りで、セル画と変わらない情報量まで落としながらも空気感を出す」という今石の要求に、初のデジタル描画で見事な透明感とポップなスタイルの背景を仕上げた。
「絵作りは足し算になりがちです。CGも遠慮なく使っていますが、あえてシンプルに、描かない勇気で。やりたかったことが全てできました」
熱く過剰な表現に定評あるタッグが、あえて引き算で挑んだ長編が、銀幕を熱く燃え上げる。
(日経エンタテインメント!6月号の記事を再構成 文/波多野絵理)
[日経MJ2019年6月7日付]

最終更新:6/17(月) 12:15
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