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少子化問題で「小さな奇跡」と評されたドイツ、裏に外国人出生率の急上昇

6/17(月) 10:25配信

日経BizGate

出生率の上昇という「小さな奇跡」の裏側

 ドイツの人口は2017年9月時点で8274万人と、欧州連合(EU)のなかで最も人口の大きな国である。うち、ドイツ人が7316万人、外国人が957万人であり、外国人の割合が11.57%となった。ドイツにおいて人口に関する議論は、移民や難民の受け入れと切り離せない。2011年9月から2017年9月までの6年間のデータをみても、人口全体は約3%(243万人)増えたが、その内訳はというとドイツ人は84.6万人の減少、外国人は328.1万人の増加である。

 外国人が増えることによって総人口が増える傾向が、一貫して続いている。ドイツ連邦統計局による2060年までの人口推計も、移民受け入れのペースが低いパターンと高いパターンでまず示されており、移民に対する関心の高さを物語っている。

 ドイツは、少子化対策についていえば、先進事例としてみられていない。なぜなら、フランスと異なり、ドイツの出生率は長らく低迷していたからである。ドイツの期間合計特殊出生率は、1995年に1.2と、OECD諸国での最低を記録した。ドイツの出生率が他国と比べても低いのは当時始まったことではなく、1970~80年代はドイツがほぼ単独で最低ラインを描いている。

 1990年代に入ると、イタリア、日本、韓国、ロシアなどが1.3~1.4付近の最低グループを形成し、2002年からは韓国が最低となったため、単独最下位の地位は返上したものの、際立って上昇するということはなかった。

 そのドイツの出生率が2016年には1.59に上昇し、ドイツとしては1970年代前半の水準にまで戻した。生まれた子の数でみても79万2131人と、5年連続の増加で1996年以来およそ20年ぶりの高水準となり、国内すべての州で増加したという。このことは、同国のメディアでは「小さな奇跡」とさえ評された。この奇跡の裏側にも、外国人の出生率の急上昇が存在している。

 過去25年分の出生率の推移をみても、外国人の方が一貫してドイツ人よりも高い。しかし、1990年代から2000年代にかけてと、2010年以降はグラフの形が異なっている。ドイツ人の出生率は、1995年に1.2で底を打ったのち、やや上昇して横ばいになり、最近3年では1.5近くまで少しずつではあるが戻してきている。それに対し、外国人の方は、2009年までの約20年間は大きく減少した。1991年には2.0を上回っていたのが、2009年には1.57まで低下したのだ。それが、2011年に急上昇して、2016年には2.28と、一気に2.0を超した。この結果が、2016年のドイツ全体における出生率の跳ね上がりにつながった。2010年以前と比べ、出生率のもともと高い国出身の女性がドイツで子どもを産むケースが増えてきていることを示している。

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最終更新:6/17(月) 10:36
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