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少子化問題で「小さな奇跡」と評されたドイツ、裏に外国人出生率の急上昇

6/17(月) 10:25配信

日経BizGate

「人生のラッシュアワー」にふりまわされるドイツ人

 外国人の母親が注目されがちなドイツの出生率だが、ドイツ人が母親の出生数も増えてはおり、過去10年間の出生率でみても1.28から1.46にじわじわと上昇している。この背景として、ドイツ連邦統計局では、家族政策の効果と好調な経済が影響しているとする。

 しかし、上昇しているといっても、ドイツ人の出生率は長らく1.5未満なのである。一定して出生率の低いドイツ社会の特徴として、「人生のラッシュアワー」という表現がよく使われている。「ラッシュアワー」とは、25歳から45歳までの間に、大学(院)卒業・就職・キャリア形成・結婚・子育てなどのライフイベントが集中し、人生において最もあわただしい時期であることを指している。ドイツに固有の現象というわけではなく、オーストリアやベルギーの研究者も使っている用語ではあるが、政府の報告書(2012年版の「家族報告書」)での扱いも含めてドイツでその問題意識が高いように思われる。

 インターネットで調べても、ウィキペディアではドイツ語サイトが一発で出てくるし、同名の書籍もドイツ語と英語で、ベルリンの出版社から出版されている。ドイツでも、北欧諸国における女性の仕事と子育ての両立は模範的と評価されているが、そのなかで、「ドイツでは経済を理由にして意思決定をしすぎているのではないか」という課題提起もなされている。

 ラッシュアワーという表現からは、何か本当に「詰め込まれた」感じがして、なるべくそこから抜けたい・避けたいという意識が働く。お国柄と言ってしまうのは早計かもしれないが、ドイツが低い出生率に直面したのも分からなくはない気がする。

日本総合研究所 創発戦略センター シニアマネジャー 村上 芽

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最終更新:6/17(月) 10:36
日経BizGate

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