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金正恩、軍需工場視察の魂胆

6/17(月) 19:23配信

Japan In-depth

【まとめ】
・軍需工場視察はミサイル発射の可能性を米に伝達する狙い。
・守りを固める為、中国へと繋がる脱出用地下トンネルの点検も。
・米大統領選等の“弱点”狙い譲歩獲得へ。続くトランプ・リスク。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46337でお読みください。】

北朝鮮の金正恩委員長は、ハノイ会談で失った権威の回復のために国内での体制を立て直しと「自力更生」の耐乏生活で長期戦に備える一方、来年に大統領選挙を迎えるトランプ大統領の弱点を利用した譲歩獲得に方針を固めたようだ。

それは包括的で完全な核廃棄ではなく、同時並行的段階的取引、すなわち核を保有したままの制裁解除獲得だ。5月初旬に、米韓軍迎撃体制の無力化を企図する核弾道搭載可能な「偏心弾道短距離ミサイル」の発射を強行したのも、この方針に一切妥協はないとの意思表示だった。

金正恩は、短距離ミサイル発射の延長線上で、6月に入ると軍事工場の視察も行った。

朝鮮中央通信は6月1日、金委員長が慈江道(チャガンドウ)の江界(カンゲ)市にある複数の工場と満浦(マンポ)市への「現地指導」を行ったと報じた。しかし視察がいつ行われたかは触れなかった。

■ 軍需工場群視察で米国へ送ったメッセージ

この金正恩の軍需工場視察の狙いは、今後、新型ミサイル(SLBMを含む)の挑発もありうるとのシグナルを、トランプ大統領に送ることにあった。米朝交渉におけるトランプ氏の唯一の功績が、北朝鮮の核実験とICBM発射を止めていることだからだ。こうした行動は、米国とイランとの対立激化、米国と中国との対立拡大をにらんでのものと推測される。

6月1日に報道された金正恩視察の工場は次の通りだ。

1.江界トラクター総合工場
戦車やキャタピラ式移動発射台を生産している。

2.江界精密機械総合工場
ミサイル及び巡航ミサイル部品を生産している。
また濃縮ウラン生産も行っている。

3.将子江(チャンジャガン)工作機械工場
地対空、空対地ミサイル工場。この工場の手前に今回報道されなかったが1016号工場があるが、そこでは、240mm、300mmロケット砲などを生産している。この工場の下手にあるのが2.8機械総合工場だ。

4.2.8機械総合工場
ここでは軍需用精密機械を生産している。戦後の復興期にこの工場から「工作機械子供生み運動」が展開された(工作機械で工作機械を作る運動)。

■ 満浦市への視察―逃走地下トンネルの点検?

だがより注目しなければならないのは、もう一つの視察場所である満浦市視察だ。満浦市視察については詳細な報道がなされず、都市建設の問題点指摘だけが報道された。

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最終更新:6/17(月) 19:23
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