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岡本太郎『自分の中に毒を持て』で養う決断力 仕事に使える文庫本

6/17(月) 6:22配信

NIKKEI STYLE

ニブイ人間だけが「しあわせ」だ

最後にご紹介したいのは、決断力を鍛える2冊。まずは、進路を決めるための指南書として、大阪万博「太陽の塔」の創作で一躍有名になった芸術家、岡本太郎の『自分の中に毒を持て』(青春出版社)をご紹介したい。

本書は1988年に発売されて以来、数多くの方に影響を与えてきた自己啓発書。冒頭から、こんな言葉が述べられている。

「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ」

そして進路など重要な決断に役立つ考え方がこちら。

「危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとはそっちに進みたいんだ」

それでも今が幸せならいい、という考え方もあるだろう。それに対して、岡本太郎は、こんな挑発をしている。

「ニブイ人間だけが『しあわせ』なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに“歓喜”という言葉を使う。危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて“歓喜”なんだ」

現在の日本に元気がないとしたら、それは「しあわせ」を追い求めた結果なのかもしれない。「歓喜」を基準にすれば、人間も社会も元気になるものなのかもしれない。

最後に、決断力を養う本として、「最後の相場師」と呼ばれた是川銀蔵の『相場師一代』(小学館)を紹介したい。是川銀蔵は、さまざまな商売を経て、大阪の北浜で株の世界に入り、当時日本一の大金持ちとなった人物(長者番付1位)。

本書は著者の自伝であり、著者がどんな投資に挑んできたかが詳しく書かれた本だ。痛快、豪快な投資エピソードのなかに投資哲学が見え隠れし、読者に読ませてくれる。いくつか、本書中から教えをピックアップしてみよう。

「株式投資は、誰でも実力以上のものをやればとまどい、不安心理がつきまとう。それが失敗につながるのである」

「借金や信用はいかん、余剰資金で現物を買え」

3/4ページ

最終更新:6/17(月) 6:22
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