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知ってるようで知らない、ストレッチが必要な5つの理由

6/17(月) 12:01配信

Tarzan Web

3. 硬くなりやすい筋肉が姿勢を狂わせる

筋肉は硬くなっても、弱くなっても困る。猫背などの不良姿勢の背景には、硬い筋肉と弱い筋肉の存在がある。猫背では、胸の前にある大胸筋が硬くなり、肩が前に出て左右の肩甲骨が背骨から離れる外転が起こる。しかも対抗して肩甲骨を背骨に引き寄せる内転を担う菱形筋は弱くなりやすく、猫背が固定されやすい。

筋肉には硬くなりやすいタイプと弱くなりやすいタイプがある(下表参照)。硬くなりやすいのは大胸筋をはじめとする姿勢に関わる筋肉。多くは2つの関節を動かす二関節筋だ。一方、弱くなりやすいのは菱形筋など、姿勢に関わる筋肉と対照的な働きをする拮抗筋。多くは1つの関節のみを動かす単関節筋だ。

硬くなりやすい筋肉をストレッチで柔らかくしても、拮抗筋が弱いと正しい姿勢は長くキープできない。ストレッチと並行し、弱くなりやすい筋肉に適度な抵抗をかけて鍛える筋トレも忘れずに行っておきたい。

4. ストレッチで予防できる病気がある

ストレッチを続けると柔軟性が高まり、快適に動ける。筋肉の緊張がオフになるから、肩や腰もラクに。筋トレを組み合わせると姿勢だって正しくリセットされる。

加えてストレッチは、動脈硬化の予防にも効く。動脈硬化とは動脈が硬く狭くなり、血液が詰まりやすい状態。心臓病や脳卒中の元凶だ。

まず注目なのは血圧を下げる作用。筋肉が硬いと血管が圧迫されて血圧が上がりやすい。ストレッチで筋肉が柔らかくなると、血管が広がって血圧が下がり、動脈硬化のリスクが下がる。高血糖も動脈硬化を進めるが、ストレッチが血糖値を下げるという報告もある(グラフ参照)。詳細は不明だが、恐らく筋肉を伸び縮みさせるとより多くの血糖の取り込みが促されるのだろう。この他、股関節など下半身の柔軟性が上がると歩幅が広がり日常での活動量がアップ。体脂肪が燃えやすく動脈硬化の危険因子でもある肥満が避けられる。

5. 動的ストレッチで血流UP。関節も健康に

ストレッチには大きく2種類ある。一つ目は筋肉を静かに伸ばす静的ストレッチ。もっともポピュラーで、とくに断らない限り、ストレッチ=静的ストレッチだ。もう一つは動的ストレッチ。ラジオ体操のようにダイナミックに筋肉を動かす。静的ストレッチのメリットについてはすでに触れたから、ここは動的ストレッチの必要性にスポットを当てよう。

動的ストレッチで筋肉を動かすうちに血液循環が良くなり、体温が上がる。関節の滑りを良くする滑液の分泌も促すから、運動前のウォーミングアップに最適。見逃せないのが、関節内の軟骨への働きかけ。軟骨には血管がなく、スポンジを強く握ると水気が出て、緩めると水気を吸うように、外からの圧力で血液循環を行う。動的ストレッチでは軟骨に適度な圧力変化が及び、血液循環が改善。新陳代謝が促進されて軟骨の状態が良くなる。これで軟骨の劣化による膝や股関節の痛みが防げるのだ。

取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.765・2019年5月23日発売)

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最終更新:6/17(月) 12:01
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