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イングランドで働く日本人コーチ平野将弘による日本の3バック分析

6/17(月) 20:41配信

footballista

招待国として参加するコパ・アメリカ、そして9月に始まる2022年W杯のアジア2次予選に向けてトリニダード・トバゴ、エルサルバドルとの強化試合に臨んだ日本代表。この2戦で注目を集めたのが、森保一監督就任後初となる3バックへのトライだった。森保監督の代名詞でもある[1-3-4-2-1]システムの“森保ジャパンデビュー”について、イングランドのカーディフでコーチを務める平野将弘氏に分析してもらった。

文 平野将弘(カーディフコーチ)


 それぞれの試合の分析へ入る前に、3バックシステムそのものについて少々言及しておきたい。

 これはサッカーコーチとしての主観的なアイディアになるが、3バックは配置の部分で優位性を作りやすいシステムだと私は考えている。だだし、それには選手たちのポジショニングに関する高いレベルの戦術理解や、チームとしてプレー原則が徹底されている必要性がある。さもないと、チーム全体のバランスや味方選手同士の距離感が崩れやすくなるだろう。ボールを保持したいチームが3バックでプレーするには、最低限相手チームよりも優れたスキルと、ゲーム理解力やインテリジェンスを持つ選手が不可欠。これは欧州リーグに目を向けてみれば明らかだ(コンテ時代のユベントスやチェルシー、ペップ・グアルディオラのバイエルンなど)。このシステムが試合中の選手たちのビヘイビア(行動)にフィットした場合、ポジショナルなプレーを志向するチームにとっては非常に効果的なシステムへと変貌を遂げる。

トリニダード・トバゴのアプローチ

 トリニダード・トバゴは90分間一貫して[1-4-1-4-1]のシステムで戦った。特徴としては前からプレスをかけるというよりは、自陣へ下がってからブロック守備をする。ただ、そのブロック守備は非常に興味深いものであった。第一段階、つまり日本のDFがビルドアップでボールを持っている時は、5人からなるMFラインを形成する。ここまでは普通なのだが、独特なのはこの後。5人のうち両ウイングは日本にMFラインを突破されても下がらず、高い位置に残ってカウンターアタックを狙ったポジションを取る場面が散見された。ゆえに、彼らのボール非保持時のシステムは[1-4-5-1]から[1-4-3-3]へと自陣内で変化する。

 攻撃に関しては、後ろからショートパスで繋ごうと試みても最終的には裏へ蹴るシーンが多く、貴重な得点機に繋がっていたのはポジティブトランジションで日本の守備がまだオーガナイズできていない状態を突くカウンターアタックだった。

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最終更新:6/17(月) 20:41
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