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もしかして依存症? 遅刻常習の同僚からアルコール臭 産業医の提案は…

6/17(月) 8:12配信

NIKKEI STYLE

《連載》いきいき職場のつくり方 産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

【図解でわかる】アルコール依存症チェックリスト & 知っておきたい適正飲酒量

■他人事ではないアルコール依存症

「酒は百薬の長」といわれます。適度なアルコール摂取は、気分転換やストレス発散などの効果も期待されます。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。日頃のストレスを晴らすために、ついつい飲み過ぎたり、飲む習慣がついて、やめられなくなるとアルコール依存症になる危険性があります。

決して他人事ではありません。国内にはアルコール依存症が疑われる患者が100万人を超えるとの推計もあります。

あるメーカーに勤務する40歳代男性の事例です。性格は真面目で責任感も強いとの評価でしたが、あるころから遅刻が多くなり、朝からアルコール臭を漂わすようになったというのです。日中、眠そうにしているという事で上司の勧めで、産業医と面談することになりました。

話を聞いてみると、夜、なかなか寝付けないため毎日、焼酎を水割りで5、6杯飲んでいるというのです。朝、起きるのも遅くなり遅刻がちに。定時に仕事を終えることができないため退社時間も遅くなり、土曜日、日曜日も出社もしているというのです。一人暮らしで、休みの日は朝からワインを1~2本飲んでいるとの事でした。

■「お酒に酔う」は脳の麻痺

異動して3年になりますが、職場で、気軽に話せる同僚がいませんでした。アルコールを飲み始めたきっかけは、業務がうまくいかず、心配で、寝つきが悪くなり、どうにかしようと思った事がきっかけです。また、飲み過ぎて転倒するなどして、足を骨折したこともありました。明らかに日常生活で、アルコールを手放せない状態になっていました。

「お酒に酔う」というのは脳が麻痺することです。同じ量を飲んでも「酔い」の進み方は飲むペース、食事の有無、体調(疲労や睡眠不足、風邪などの病気)によって異なっています。「酔い」の段階としては「ほろ酔い」「酩酊(めいてい)」「泥酔」「昏睡(こんすい)」の4段階があります。

アルコールの浸透が脳の表面なら「ほろ酔い」で、陽気になったり、おしゃべりになったりする程度です。しかし、アルコールが脳の深い部分に浸透するに従い、「酩酊」「泥酔」と進み、同じことを繰り返してしゃべったり、千鳥足になったり、意識がはっきりしなくなったりします。さらに脳幹や脊髄にまで進むと「昏睡」となり、尿失禁や便失禁を招き、最悪の場合、死に至る恐れもあります。

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最終更新:6/17(月) 8:57
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