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【今さら聞けない】クルマ修理の代表格「板金」って何をするのか?

6/17(月) 18:01配信

WEB CARTOP

もとの状態に叩いて戻したり職人技が求められた

 ぶつけたときにお世話になるのが板金だ。そもそも板金とはなにか? 改めて考えてみよう。ちなみに板金塗装とひとつで語られることが多いが、本来は別物。現在ではひとりですべてやることが当たり前になっているが、作業内容が違い職人さんも別。その昔は同じ店にしても、板金と塗装は別部門で、被ることはなかった。「板金が完了したから、あとはペインターに回す」のような会話が聞かれたし、現在でも大規模な老舗では分業していることもある。今でも両方ともやっている職人さんに聞くと「もともとは板金出身」と返ってきたりする。

【写真】最近ではパネル交換してしまうケースも

 話を戻して、板金の意味としては「板を叩いて形を作る」ということで、金属の板を扱うから鈑金と書くこともあるが、鈑の字が常用漢字にはないので板を使っている。工芸品でも使われる言葉だが、クルマの場合は、ご存じのようにボディのヘコミを直すことだ。

 基本的な作業としては、凹んだ部分を裏から叩いて、平らにするのがメインだ。ハンマーとドーリーという当て物を使って均していくが、ときにはフックを溶接してスライディングハンマーと呼ばれるツールで引っ張りだしたり、ハンマーが入りやすいようにパネルを外したり。また、伸びてしまった部分をバーナーであぶって、急速に水で冷やして縮めて絞るなど、そのテクニックは多岐に渡る。

最近は叩いて直せる職人が減っている

 レストア的な作業では腐食部分を切って、パネル片を鉄板を叩いて作って溶接してはめ込むというのもやる。熟練職人であれば、ボディパネルすべてを叩いて作るのも可能だったりする。

 老練の職人さんに聞くと「丁稚に入ると一枚の鉄板を叩いて、鍋やヤカンを作って練習したもの」というほど、超絶技法の世界。ベコベコのボディもハンマーで直して、パテなしで直すというのも当たり前だったが、現在は叩けない職人が増えているのが問題になっている。そのほか、損傷が激しいパネルは交換となる。フロントフェンダーなどはボルト止めなので簡単だが、リヤフェンダーやサイドシル、場合によってはルーフパネルの交換は溶接を外して、位置を決めて新品を溶接するなど手間はかかる。

 最近では叩けるにしても、あらかた直してパテを盛って平にするというのが増えていたり、叩く手間をかけるよりパネル交換というのも多い。技術の低下以外にも保険修理が増えていることや、直しにくい超高張力鋼板の増加、時間当たりの収益追求など、背景にある問題はさまざまだ。

 時代が進化したというか、変わったといえばそれまでだが、超厚盛りしたパテはしばらくすると割れたり、剥がれたりのリスクもある。下手な職人がやればチリが合っていないこともある。仕上がりにシビアで、クレームの出しやすいディーラーや、車両保険使用時に保険会社指定の工場に入庫するのもいいが、近所で古くからの板金工場があれば、そこも検討してみるのもいいかもしれない。

近藤暁史

最終更新:6/17(月) 18:01
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