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増える「子連れ再婚」…ステップファミリーにまつわる法知識

6/17(月) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

結婚、離婚、親子、養子、扶養など、個人と家族に関する法律を対象とする「家族法」。私たちの日常生活と密接に関係した法律であり、その理解は欠かせません。本連載では、書籍『知って役立つ! 家族の法律――相続・遺言・親子関係・成年後見』(クリエイツかもがわ)より一部を抜粋し、結婚・離婚と親子関係にまつわる法律をわかりやすく解説します。

家族のあり方が多様化し、ステップファミリーは増加

◆多様化する家族(1)~血縁関係のない親族「ステップファミリー」

●増える離婚

婚姻件数:63万5,000組、婚姻率:5.1(人口1,000対)

離婚件数:22万6,000組、離婚率:1.81(人口1,000対)

※厚生労働省「人口動態統計2015年」

単純比較では、婚姻件数:離婚件数の比はほぼ3:1ですが、これは結婚した3組に1組が離婚しているということではありません。また、夫婦の一方あるいは両方が再婚であるのは17万組であり、婚姻全体の26.8%を占めています。親が離婚した未成年の子は22万9,000人、10.52(20歳未満人口1,000対)となっています。

●多様化する家族のあり方

ステップファミリーとは、離婚・再婚によって血縁関係のない親子関係が1組以上含まれる家族関係のことを言います。言い換えると、再婚する男女のどちらか(あるいは両方)に子どもがいる場合(すなわち、子連れ再婚)の家族のことです。

前婚が法律婚の場合も事実婚の場合もあります。また、離婚した場合と死別した場合があります。結婚・離婚・再婚については、さまざまなケースを取り上げていますが、ここでも少し考えてみましょう。

●厚労省調査

ちょっと古いですが、厚労省が2006年に発表した結果です。

(ア)離婚経験者が5年以内に再婚した割合(1997年~2002年)

・男性……30% 女性……27%

(イ)婚姻(結婚)した男女のうちどちらかまたは両方が再婚だったケース

・25.3%(1980年の調査では12.7%)

・上に示したように2015年ではさらに増えて26.8%となっています。

・結婚する4組に1組が再婚だということです。

このうち何割が子連れ再婚だったかは明らかにされていませんが、再婚の割合が増えているということはステップファミリーも増えていると考えてよいでしょう。

●初婚家族との違い

初婚でも「生まれも育ちも違う」者同士が一緒に生活することになるのですから、戸惑うことが起きることは当然考えられます。再婚の場合はその可能性はもっと大きくなります。ましてや「子連れ再婚」となると、何も問題が発生しない方が珍しいと覚悟しておいた方がよいでしょう。

それでも結婚する当人同士は「自らの意思」で選択しますが、子どもは離婚も再婚も自分の意思で決めたことではないので、ストレスやトラウマがあるのが普通です。また、「生活習慣の違い」も大きな問題になります。

※「子連れ再婚」「ステップファミリー」については、わかりやすく役に立つ本が出版されていますので参考にしてください。

◆多様化する家族(2)~子は親の付属物ではありません

●ステップファミリー

日本では結婚の4組に1組が再婚と言われています。過去の結婚で子どもがいて、再婚で結ばれる家族を「ステップファミリー」と呼びます。ステップファミリーのステップ(step)は、接頭辞で、「継」という意味です。継父、継母、「ままはは」などの「継」です。

●さまざまな形

ステップファミリーにもさまざまな形があります。そして、それぞれに考えなければならない特有の事情(問題点)があります。これらは今回のテーマではありませんので、別の機会に譲ります。

(1)夫のみに子がある場合で、妻が初婚の場合と再婚である場合。

(2)妻のみに子がある場合で、夫が初婚の場合と再婚である場合。

(3)夫婦双方に子がある場合。

(4)(1)~(3)で、元の配偶者と死別した場合と離婚した場合。

(5)(1)~(3)で、法律婚であった場合と事実婚であった場合。

●養子縁組

※(1)(2)で、法律婚であった場合→再婚(法律婚)

このケースでは「婚姻届」だけ出して、「養子縁組届」を出していない方がよく見受けられます。この場合、夫の子は妻の子とはなりません。逆も同じです。一番誤解が多いケースと言えるでしょう。

意図して(意識的に)「養子縁組」しない場合はよいのですが、「親が結婚したのだから、子も当然親子」と思っていると後で問題が起きる場合があります。子が60代になってから気づいてあわてて「養子縁組」された実例がありました。

※(3)で、法律婚であった場合→再婚(法律婚)

夫の子は夫の子であり、妻の子は妻の子です。自動的に夫婦の子となるわけではありません。子が成人である場合、全員ではなく特定の子とのみ「養子縁組」される方もあります。

●離婚のとき

夫の姓を名乗っていた夫婦が離婚すると、子は夫の戸籍に残ります。元妻は結婚前の戸籍に戻るか新しい戸籍を作ります。

(1)子を母親の戸籍に入れるときは、家庭裁判所の許可が必要です(民法791条1項)。母親が親の戸籍に戻っている場合は新しく戸籍が作られます。

(2)元妻が新しい戸籍を作り、未成年の子の親権者になっているが、子は父親の戸籍に残っている場合。父親が再婚しようとすると「子が邪魔」になるときがあります。このときも(1)の手続きをします。子が15歳未満である場合は、法定代理人(親権者である母親)が手続きをします(民法791条3項)。

(3)子が成人である場合は「分籍」して自分だけの戸籍を作ることもできます。これにもいくつかのパターンがありますが、煩雑になりますので別の機会に譲りましょう。

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最終更新:6/17(月) 8:00
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