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相続財産で社会貢献…「遺贈寄付」の仕組みと税制上のメリット

6/17(月) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

今回は、遺贈寄付と相続財産を寄付した場合の寄付税制について紹介していきます。※本連載では、寄付を募る団体と寄付をしたい人を繋ぐファンドレイジングアドバイザーの宮本聡氏が、日本における寄付文化の現状と可能性について解説していきます。

富裕層を中心に高まる「遺贈寄付」への関心

前回(関連記事:『 寄付をしたら受けられる「税制優遇処置」の費用対効果 』)、個人が一定の条件の元に民間非営利団体に寄付した場合には「寄付金控除」を受けられることを解説しました。復習になりますが、寄付金控除の税制上の優遇措置は、具体的に下記の3つからなります。

1)個人が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた所得控除もしくは税額控除が得られる。

2)企業が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた損金算入(経費処理)が認められる。

3)個人が相続財産を寄付した場合、その寄付分が課税対象外になる。

今回は、「個人が相続財産を寄付した場合の寄付税制」の解説とあわせて、特に富裕層のなかで関心が高まりつつある「遺贈寄付」について紹介します。

そもそも「遺贈」とは、遺言によって遺産を相続人やその他の人・団体に贈ることです。そのなかでも、地方公共団体や学校、民間非営利団体に遺産を贈ることを「遺贈寄付」と呼びます。日本ファンドレイジング協会が発行する『寄付白書2015』によれば、遺贈寄付について、40歳以上の男女の21%が相続財産の一部を寄付することに関心があると答えた調査結果があります(図表1)。

日本の年間相続額は、日本総研の試算では37兆円から63兆円になるといわれています。日本の毎年の税収が約60兆円なので、年によっては1年間に発生する相続の金額が、その年の税収に匹敵する規模になることもあります。そのようななか、単身世帯の増加もあり、自分が亡くなった後の財産の贈り先の一つに、社会貢献活動に取り組む非営利団体などを選ぶ、遺贈寄付への関心が高まっているのです。

なお、遺贈にも財産の全部、または一定割合を贈る「包括遺贈」と、相続財産のうち特定の財産を贈る「特定遺贈」という方法があります。遺贈寄付も、「全財産を寄付するか、しないか」という、ゼロか100かの意思決定ではありません。一般的に高額になることが多いだけで、金額の多寡を問うものではなく、極端にいえば1万円でも立派な遺贈寄付です。

自身が日ごろから力を入れている社会貢献活動への支援が、相続という出来事によって途切れてしまうことは、“未来の笑顔”を社会から減らすことにもつながりかねません。遺贈という方法によって社会貢献の意志を未来に繋げられるということを、一定以上の財産を成した方には、ぜひ知っておいていただきたいところです。

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最終更新:6/20(木) 9:54
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