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夫から相続したマンションを長男に渡したい…最良の方法は?

6/17(月) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載では、相続・事業承継に関わる数々の問題を解決に導いてきた、日本経営ウィル税理士法人の税理士・東圭一氏が、「相続・事業承継」において発生しがちなトラブル例を取り上げ、事前にできる対策を解説する。今回は、事例をもとに、生前の財産承継時における「後見人制度」や「家族信託」活用の有効性等について見ていく。

思い入れあるマンションだが、管理業務が負担となり…

税理士の東圭一は、高橋花子(仮名)から賃貸マンションの管理について相談を受けた。先祖代々受け継いできた土地に、夫が賃貸マンションを建築、不動産賃貸業を営んでいた。10年前に夫が他界すると、花子がこれを相続・管理してきたという。

最近、建物や設備の老朽化が目立つようになり、工務店からも大掛かりな修繕の提案を受けている。毎月の管理業務だけでも大変なのに、工務店との打ち合わせも考えると、かなりの負担に感じるようになってきた。

思い入れのあるマンションなので、いずれは長男の太郎(仮名)に引き継いでほしいと考えているが、ほかの子供たちにはきちんと話せていない。一層のこと、相続まで待たずにいまの段階で譲ってしまうほうがよいのか・・・。

マンションの収益で生計を立てていることもあり、管理業務も含めて、この先のことを不安に感じての相談だった。

「生前贈与」は高額な贈与税の負担を強いられる場合も

【税理士からの提案】

「遺言を活用する」という選択 

まず、マンションを太郎さんに相続させたいという意思を遺すため、遺言書を作成するということが考えられます。その場合、マンションの所有権が太郎さんに移転するのは、花子さんの死後になりますので、管理業務から開放されることはありません。

「生前贈与」という選択

花子さんから息子の太郎さんに、マンションを贈与する場合はどうでしょうか。このケースだと、所有権が花子さんから太郎さんへ移転しますので、花子さんはマンション管理から解放されることになります。

しかし、贈与後にはマンションの管理から生じる収益は太郎さんに帰属するので、花子さんの生活費はどう賄うかという問題が出てきます。また、それなりの規模のマンションですので、太郎さんは高額な贈与税の負担を強いられます。

「任意後見契約を締結する」という選択

花子さんに判断能力(意思能力)があるときに、太郎さんを後見人候補者として任意後見契約を締結するという方法も考えられます。任意後見契約とは、物事を判断する能力が衰えた場合(たとえば認知症など)に、自分の後見人になってもらうことをあらかじめ委任する契約で、公正証書によって契約書を作成する必要があります。

この場合、太郎さんが花子さんに代わって財産管理をできるようになるのは、花子さんの判断能力が衰えたときです。現段階で判断能力のある(任意後見が発効していない)花子さんは、すぐには太郎さんに財産管理を委ねることはできません。

また、後見制度の趣旨は、本人の財産を維持することにあります。後見開始したあとに、花子さんの財産について相続人のために何らかの相続税対策を実行することは難しくなるでしょう。

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最終更新:6/17(月) 12:00
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