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マニアちゃんは語りたい!『イヤーピース』によるイヤホン音変化はオカルトではない!

6/17(月) 6:00配信

PHILE WEB

■マニアたちは“イヤピは断じてオカルトではない!”と主張したい

だいせんせい: あれは僕がe☆イヤホンで「だいせんせい」として働き始めて2年が過ぎた頃でした……2018年、時代はまだ平成でしたね。秋葉原の店頭からPR部へ異動して、ウェブからユーザーさんの声を拾い上げるのも業務の一環となっていたのですが……

高橋: 遠い目をしている割に意外と最近な話を突然に語り出しつつ、さりげない自己紹介も巧みに織り交ぜていただいてありがとうございます。そんなわけで今回の特別ゲスト、e☆イヤホンのだいせんせいさんです。あ、僕は当連載担当ライターの高橋です。

成藤: 編集部の成藤少佐であります。

だいせんせい: そんなある日、

高橋: そのくだり、まだ続くんですね。

だいせんせい: そんなある日…こんなツイートを目にしたんです。

「イヤーピースで音が変わるとかオカルトかよw」

高橋: よくある「マニアの常識は世間のオカルト」というやつですね。オーディオでは特によくあるやつです。

だいせんせい: 一般の感覚はまだまだそういう感じだよなあと。でも販売店としてもイヤーピース好きとしても、それを放置はしたくない!と思っていて。なので、動画配信のe☆イヤホンTVでイヤピ特集を組んだりしてるわけなんです。

成藤: 私も個人的には「リケーブルよりイヤーピース交換の方が効果は大きい」とさえ主張したい。

高橋: 世間的にはイヤーピースもリケーブルもまとめてオカルト扱いかと思いますが……まあ僕もイヤーピースの重要性について、声を大にして伝えたい想いは同じです。なので今回は、“イヤーピースの基本から深遠までを語り尽くし、その魅力と威力を知ってもらおう!”というわけでこのメンバーに集まってもらいました。

■マニアたちもできれば“標準付属イヤピ”を守りたい

ーー ナレーション ーー
イヤーピースとは、カナル型イヤホンの先端に付いている、耳の中に押し込む主にシリコンゴム製のアレである。パッケージに標準付属する小・中・大くらいのサイズから、ユーザーが自分の耳の大きさや形に合うものを選んで使うことで、耳へのフィット感やそれによる遮音性、そしてそのイヤホン本来の音質を確保することができるのだ!

だいせんせい: まさに基本はその通りですね。ところで「ナレーション」とは?

高橋: ナレーションに反応するとかメタ的なことはやめてください。さて、イヤーピースを変える、というかまず付属品の中からサイズとかをちゃんと選ぶと何が変わるのか?ですけど、ざっくり分けると、『装着感』『遮音性』『音』ですよね。

だいせんせい: 「音」はオカルト扱いされがちですけど、耳にぴったりフィットする大きさや形のイヤーピースで「装着感」と「遮音性」が確保されるのは一般の方々にも分かりやすいはず!

高橋: 成藤さんの場合、新しいイヤホンを手に入れたら、まずはどこを重視してどんな流れでイヤーピースを選んでいきます?

成藤: まずは装着感が合うものを探していきます。というのも自分は左右で耳の径や形が違いまして……

だいせんせい: それ、実はけっこうありますよね。見落とされがちなんですけど。

成藤: 左右同じサイズのイヤーピースを使うと、右側だけ外の音が聞こえてきちゃったり、音に違和感があったりしたんです。それでカスタムIEMに頼ったりもしてたんですけど、最近はイヤーピースのブランドや製品数が増えてくれて、左右のちょっとしたサイズ違いの微調整もしやすくなりました。

だいせんせい: 自分も左右で別サイズのイヤピを使うことが多いですね。それに例えば同じMサイズでも、メーカーさんごとに実際の大きさは少し違ったり、イヤホン本体の形や大きさ重さとの兼ね合いでも変わってくるじゃないですか。なのでまずは、付属イヤーピースの各サイズをしっかりチェックします。

高橋: 僕もそうですけど、まずは「その製品に付属する標準イヤーピースから自分にフィットするものを探す」のが基本ですよね。

だいせんせい: 自分はメーカーさん開発者さん至上主義といいますか、標準状態での音を尊重、確認したいというのもあるので、やっぱりそうなりますね。

成藤: 同じくです。

■マニアたちは“最初の一手”から語りたい

高橋: ただ、標準付属のイヤーピースがいまいちフィットしないこともありますよね。装着が安定しなかったり、このイヤホン、本当はもっといい音しそうな気がするんだよなあ……という感触があったり。耳の形は千差万別なので。

だいせんせい: そこからが標準付属品ではない、他社製などの交換用イヤピの出番ですね。

高橋: 他社イヤピとの組み合わせも試してみようとなった時、まず試してみる一番手や二番手のイヤピって、だいたい決まっていますか?

成藤: 以前だとJVC「スパイラルドット(以下、無印)」、今は「スパイラルドット++(以下、プラプラ)」から試すことが多いです。

だいせんせい: スパイラルドットとfinal「TYPE E」はサイズ展開も中間サイズの「ML」「MS」まで用意されていてきめ細かいですし、定番ですね。

高橋: 僕もその二つから試すことが多いですね。スパイラルドットは開口部の径が大きくて広いタイプ、finalのEは小さめでやや狭いタイプという違いがあるので、その製品の標準イヤピと近いタイプの方から試す感じで。

だいせんせい: 標準イヤピの穴が小さいイヤホンに、穴が大きめな交換イヤピを合わせると、相性の良し悪しが出やすい気がします。その製品本来の音を引き出したい場合は、標準イヤピと同じタイプを選んだ方が、元の音のバランスを崩しにくくて無難です。

成藤: メーカーさんが作り上げた音を尊重したいんだけど、付属イヤピがどうしてもフィットしない……という時は、それが次善の策になりますね。

だいせんせい: あとは経験的に、イヤホンの個性が近いモデル同士は、そのイヤホンの標準イヤピ同士の個性も似た傾向なことが多いと感じています。例えば低音を主張するタイプのイヤホンのイヤピを、同じく低音を主張するタイプのオーテク「SOLID BASS」のイヤピに換えてみても、音の違和感はあまりなかったりするんですよ。そうやってイヤピの傾向を合わせれば、装着感を改善しつつ音の変化は最小限に抑えられます。

■マニアたちは“「定番」イヤピ”を紹介したい

高橋: 今も名前が挙がったように、JVCの「スパイラルドット」とfinalの「TYPE E」はイヤピ交換の超定番ですよね。

だいせんせい: シリコンイヤピ四天王には入ってそうです。

高橋: 四天王最弱はどのイヤピなのか?とか気になるところもありますが、まずfinalにはどういう特徴があると思いますか?

成藤: 音がどう変わるとか言ったマニアックな要素の前に、「装着感」と「遮音性の確保」という基本がトップクラスです。

だいせんせい: サイズ展開もきめ細かいですし、最初にサイズを一通り試すためにこちらの全サイズセットを買えば、なんとこの便利なケースも付いてくる!

高橋: このケースは本当に秀逸!!!なのですが、ケースや収納の話については後ほどまとめて話すとして……スパイラルドットシリーズの方ですが、現行品としては、以前からある無印の「スパイラルドット」と新製品の「スパイラルドット++」がありますよね。

成藤: 個人的には、装着感は無印の方が好みなんです。プラプラは傘の素材と厚みの変更で、耳に合わせて変形してフィットする感じは少し弱まっているような気がして。大きめのサイズで耳の外側近くに蓋をするような装着ならプラプラが合うと思うのですが、自分は小さめのサイズを耳の奥に入れる装着スタイルというのも好みで、そちらには無印の方が合うかなと。でも音はプラプラの方が好みなので、今はそちらがメインです。

高橋: …この人いきなり長文でしゃべりだしたぞ……

成藤: スパイラルドットのシリーズには以前に「スパイラルドット+」というのもあったのですが、こちらは「スパイラルドット++」と入れ替わりになったんですよね。でも無印の方は現役で販売が続いています。それって「無印にはプラプラでも置き換えられない魅力がある」ということの証なのだろうなと。

だいせんせい: 個人的にその二つの次に挙げたい定番イヤピは、ソニーの「ハイブリッドイヤーピース」ですね。ここまでがシリコンイヤピの御三家と言えると思います!

高橋: ということは、この御三家に入ってない残り一つの四天王が四天王最弱……そこは追求しないとして、このイヤピのすごさとしてはまず、「昔からずっと売ってる!」ですよね!

だいせんせい: ほんとずっと売られていますね。この後に登場した「ノイズアイソレーションイヤーピース」など凝った構造のシリーズは、その最新形と言える現在の「トリプルコンフォートイヤーピース」に取って代わられ、現在は販売されていないのですが、スタンダードな構造のこのハイブリッドイヤーピースはまだまだ現役です。

高橋: イヤーピースは無くしたりすることもある消耗品なので、供給が途絶えなくていつでも補充できる“超定番ロングセラー”というのは頼り甲斐がありますよ。

だいせんせい: 自分も愛用させていただいている最新フラッグシップイヤホン「IEM-Z1R」にも、トリプルコンフォートと並んでこのハイブリッドも標準付属してますからね。それどころか、開発者の方にお話を聞いたのですが、Z1Rの音のチューニングはハイブリッドイヤーピース使用を基本想定として行われたそうです。

成藤: とはいえ、トリプルコンフォートの「シリコン素材を発泡させたシリコンフォーム素材」というのもすごいんですよね。

だいせんせい: そうなんですよ、衝撃的でした。当時は「ソニー最大の発明だ!」と思ったほどです。そういえばこのトリプルコンフォートも含めて、ソニーのイヤーピースは基本、ハイブリッドイヤーピース以降は開口や軸の径をハイブリッドイヤーピースと同じまま変えていないそうです。そういうったところからもやはり、ハイブリッドイヤーピースがソニーイヤーピースの基準なんだと思います。

■マニアたちは「AZLA事件」を振り返りたい

高橋: ここまでに挙がったイヤーピースは、イヤホン自体を作っているメーカーが自社イヤホンのために開発したものを単体売りもしている、というものでしたね。対して完全なサードパーティの製品としては……

成藤: シリコンなら「SpinFit」、フォームなら「コンプライ」ですね。

高橋: サードパーティ製品は多くのメーカーの、また多くのイヤホンに対応する必要があるので、製品展開が豊富ですね。特にイヤホン側のイヤーピース装着部、「ノズル」や「ステム」と呼ばれる部分の太さに合わせて装着部の軸の径のバリエーションは膨大です……ここは購入時に注意が必要ですね。

だいせんせい: そこはe☆イヤホンのリアル店舗ならスタッフに聞いてもらえればいいですし、何ならサイズも音も実物で試してもらえますからぜひ!

高橋: そしてここまでに紹介した代表的なメーカーに加えて、近年はマニアックなメーカー、新しいメーカーがどんどん増えている印象です。

だいせんせい: 新しい製品としてはAZLAの「SednaEarfit」は大きなインパクトがありましたね。

高橋: AZLAのイヤホン、初代「AZLA」は、ちゃんと耳にフィットすれば素晴らしい音を出してくれたんですけど、耳にフィットするしないの相性が大きかった。それが「AZLA MK2」になったらその点が大幅に改善されていて、フィットする人がドンと増えた。

だいせんせい: それで「AZLA」の音の評判もぐっと高まりましたよね。その最大の要因と思われるのが、MK2に付属された独自開発新型イヤピ「SednaEarfit」だったと。

高橋: 図らずも「装着感も音もイヤピ次第でこんなに変わる!」を盛大に実証してくれた出来事でした。

だいせんせい: そのイヤーピースが単体でも売り出された、と。でもこのSednaEarfitって、単体で見ると合う合わないの相性は出やすいイヤピだと思うんですよ。だからこそ「AZLA」との組み合わせのように、ぴったり噛み合ったときには素晴らしい結果になるんです。対して追加された「SednaEarfit Light」は、ある程度万能型というか、どんなタイプのイヤホンと組み合わせても癖が出にくい。

成藤: Sednaは軸が長くて、傘の厚みもあってしっかりしているので、ハウジングの形や大きさにあまり影響されず、このイヤピ自体が耳をがっしりとグリップしてくれるんです。だから、ノズルが短くて太くてハウジングが大きい、まさにAZLAみたいなイヤホンの装着感を大きく改善してくれるのだと思います。

高橋: Sedonaと言えば、「完全ワイヤレス向け」を謳った新製品も予告されていますね。実際、現在のイヤピの世界では「完全ワイヤレスのイヤピどうする?」問題は見落とせないところ……

だいせんせい: 製品によってはケース側の収納スペースがかなりタイトで、イヤピの傘が少し広いだけでも入らないとか、蓋がちゃんと閉まらなくて充電が不確実になったりすることもあります……

高橋: ケース内のイヤホン収納スペースを広くすると、その分バッテリースペースなどが圧迫されるだろうから、トレードオフとして仕方ない部分はあると理解できるのですが……

成藤: そこでサードパーティから「完全ワイヤレス向けイヤーピース」というのが出始めていて、Sedonaの新製品もそれですよね。軸を短めにして、イヤピをイヤホンに付けたときの高さが抑えてあります。ケースへの収まりもよくなりますし、耳にあまり深く入れない浅めの装着感も完全ワイヤレスのトレンドに合っている。

だいせんせい: あとこのメーカーは素材として「医療用シリコン」の採用も打ち出してきましたね。イヤーピースの素材が耳に合わなくて耳の中がかゆくなるという人も実際いるようなので、肌に優しい素材という配慮は嬉しいなと。

■マニアたちは“通好みなイヤピ”もおすすめしたい

高橋: 他に挙げておきたいイヤーピースといえば?

成藤: ZERO AUDIOはイヤホンのモデルごとに何種類かのイヤーピースを使い分けています。イヤホン各モデルの音作りの要素として、イヤーピースによる音の違いも積極的に取り入れているんです。交換用としても活用できるポイントかと。

高橋: なるほど。同社サイトでチェックしてみると……

●シリコンイヤーピース 1:バランスト・アーマチュア・スピーカーからのクリアーな音を最も効果的に外耳内に響かせるよう設計
●シリコンイヤーピース 2:ダイナミック・ドライバーの性能を最大限に引き出す
●シリコンイヤーピース 3:ZERO BASS / ZB-01, ZB-02 専用に開発。パワフルな重低音をダイレクトに伝えます
●シリコンイヤーピース 4:超小型ドライバーが生み出すクリアーなハイレゾサウンドを鮮やかに再生

だいせんせい: 僕はFenderのイヤーピースが気に入ってるんですよ。

高橋: 素材も形も独特ですよね。

だいせんせい: 謳い文句通り「体温で柔らかくなって耳の中にソフトにフィットする」という効果を実感できますし、加えて伸縮性が高いので、少し無理矢理に広げる感じにはなりますけど、ノズルが太い他社イヤホンにも付けることができます。

高橋: Fenderのノズルは細めだけど、ShureやWestoneほどは細くなかったりして、Fenderイヤホンに他社イヤーピースを合わせるのは難しいんですよね。でもFenderイヤピは他社イヤホンに付けられる!

だいせんせい: このFenderと、傘の膨らみの位置が他とは違って耳の奥の方にあるラディウスの「ディープマウント」。その二つが僕の中で、普通のイヤピだと自分の耳にフィットしないイヤホンに対する最終兵器です。

成藤: 自分はJAPAEARの「交換用イヤーピース スタンダードVer.」にも注目しています。外側は普通のシリコンの手触りなんですけど、音を通す穴の内面だけがツルツルピカピカに仕上げられていまして……

だいせんせい: 本当だ……

高橋: メーカーのサイトでも特に記されてないですよね……

成藤: そのおかげ?なのかは分かりませんが、「全体的な音はクリアなのに、低音が少しボワッとしているのが惜しいイヤホン」に合わせると、その惜しい部分を解消できることがあるんです。

高橋: えらくピンポイントな……

だいせんせい: マニアですね……

■マニアたちも“いぶかしげ”

高橋: 先ほどSpinFitの新製品の話も出ましたが、これからの発売が予想されている新製品で注目のものが他にもありますよね?

成藤: まずはこちら「Symbio」。

だいせんせい: これってもう日本での販売始まってるんでしたっけ?まだでは?

成藤: 自分は先行販売ですでに購入済みです。

高橋: ……あ、はい。もう見た目の時点でどういうタイプ、どういう狙いの製品なのか分かる。

だいせんせい: Monster「SuperTips」にあったジェルタイプに近い感じ。ですかね。

高橋: フォームやジェルといった素材を使いつつ、耳に触れる部分はシリコンにすることで耐久性を高めるというタイプですよね。従来のそのタイプは「シリコンの傘の内側にフォームやジェルを仕込む」という形が多かったのですが、これは「フォームの傘の表面にシリコンをコーティングする」という形に近いように見えます。

成藤: 雪見だいふく的な薄皮感があります。

高橋: 個人的には皮にもう少し厚みがあった方がいいと思うんですけど……あ、雪見だいふくの話ですけど。

だいせんせい: 触ってみると……思ったほどぷにぷにではないというか、意外と硬めですね。……雪見だいふくの話ではなくて。一般的なシリコンイヤピよりがっしり感があるかもしれない。

成藤: Monsterのフォームタイプの方に近いような気もします。

高橋: 明らかにこれまでの「普通のイヤーピース」の範疇に収まっていない、イレギュラーなイヤピという感触。ということは、他のイヤピとの相性がイマイチなイヤホンにこれを組み合わせたらうまくいくかも……

成藤: そしてこちらはePro「HORN SHAPED TIPS」です。

だいせんせい: これまだ日

成藤: 自分は海外から購入済みです。

高橋: ……あ、はい。先日のヘッドフォン祭でも大きな注目を集めていましたよね。

だいせんせい: ポタフェスにも出展していただいて、試してみたら本当によかった!

高橋: 開口部がホーン形状っぽくなっているイヤーピースは従来からありますが、「ホーン形状であり」「そのホーンによって音を良くしている!」とそこを一番の売りにしてきたイヤーピースはなかったかも。

だいせんせい: 聴いてみると意外と、イヤホンの音に色付けするタイプではなく、そのイヤホン本来の音を引き出す、引き上げてくれる印象でした。めっちゃいい!

成藤: 海外のイヤーピースメーカーさんって、装着感と遮音性の向上を主な目的にして、そこをアピールしていることが多いと思うんですよ、音の向上は付加価値というか。でもこのイヤーピースは「ホーン形状にしました!音が良くなります!」と打ち出してきていて、海外メーカーとしては珍しいなと。

高橋: あと直近だとFAudio。そもそもイヤホン製品のパッケージに「FA Vocal」「FA Instrument」と2種類のイヤピを付属して使い分けで音を調整できるぜ!というメーカーでしたけど、そのイヤピの単品販売も始めるというアナウンスがありました。

だいせんせい: お前らイヤピに求めているのは音なんだろ!?的な製品が遂に増えてきましたね……

■マニアさんは「イヤピお試しセット」で試させたい

高橋: 一方、既存のマニアではなく一般的なイヤホンファンに向けた製品としては、それこそe☆イヤホンさんが……

だいせんせい: 「お試しセット」というのをご用意させていただきました!タイプの異なる4メーカー4製品が1ペアずつ入ってます!最初に話しましたように、世間には「イヤーピースで音変わるとかwww」みたいな感じもあるようなので、そこに「いや試してよ!」とアピールしたいなと。

高橋: 各メーカーとつながりのある販売店主導の企画だからこそ、実現できた製品ですね。

成藤: 今日僕らが話していたようなことを、ぜひこのセットで実際に試してもらいたい。

だいせんせい: ですね。中身は、シリコンの定番として今日も何度も名前の挙がっているfinal「TYPE E」とSpinFit「CP145」、フォーム代表としてCrystalline Audio「クリスタルチップス」、あとその3つと比べるとマイナーかもしれないですけど、実は意外とイイ!シリコンなHI-Unit「AEC-202」をセットにしました。

高橋: HI-Unitのイヤピはこのセットの中ではどんなポジションになるんですか?

だいせんせい: 他3つのイヤピは形状や構造、素材などに独特な工夫のある、定番でありつつも個性も強いものを選んでいます。イヤピというアイテムのバリエーションの幅広さや、交換した時の変化の大きさを実感してもらいやすいように、という狙いからです。

高橋: そこに対してHI-Unitは?

だいせんせい: こちらはe☆イヤホンでALPEXさんと共同開発したイヤホン「Hi-Unit」シリーズに付属するイヤピなんですけど、今回のセットの中では「普通、オーソドックス、スタンダード担当」みたいな役割で入れています。細かく見れば開口部は少し広めで、高さは少し低めではあるんですけど、素材も構造もほぼほぼ「普通のイヤピ」と言えるタイプです。音質の癖も少ないですし。

成藤: Hi-Unitと比較してもらうことで他3つのイヤピの個性がよりわかりやすくなる、と。

だいせんせい: そういうことです。

高橋: そもそも「こんなイヤピセットが発売されるよ!」というのがニュースになるだけでも、アピールとして意味がありますし、面白くて有意義な企画ですよ、これは。

■マニアたちはイヤピを便利に収納したい

だいせんせい: あとこちらのイヤピセット、イヤピそのものが主役なのはもちろんですけど、この「イヤピ4ペアを整理して収納できるケース」も一緒に手に入ります!

高橋: イヤピマニアはイヤピにこだわると同時に、そのイヤピを整理しておくためのケースにもこだわりがち……

成藤: 汎用品としてはピルケースであるとか、百均で売ってる小物入れ的なものとかありますけど、イヤピ用に作られたケースや収納アイテムはやはり便利です。最近で言うとやはりfinalの……

全員: これな!

だいせんせい: final「TYPE E」全サイズセットのケース、これですよね。蓋の側にもイヤピ固定用の軸を装備して、イヤピを互い違いに固定することで……

高橋: 最小限の幅と高さのケースに5ペアのイヤピを収納……

成藤: さらにShureやWestoneなどの細軸との互換性まで確保するアダプタまで用意されているという……

全員: もうこのケース単体でも売ってほしいやつ!

成藤: 同じようにセット売り製品に付属しているケース等で便利なものといえば、現行製品だとZERO AUDIOのイヤピについてるこのトレーですね。

高橋: これは僕も愛用しています。メーカーサイトから引用すると「6個を着脱できるゼロ・オリジナルのストック・トレー」というものですね。

成藤: こちらはfinalのケースと比べると軸がやや太め、かつトレー自体もシリコン的な柔らかい素材なので、イヤピ側の軸の太さに対して融通がきいて、様々なイヤピをしっかり固定できます。

だいせんせい: ZERO AUDIOのイヤピって3ペアで実売500円前後とお手頃なのに、こんなトレーまでついてくるのは嬉しい。

■だいせんせいは時空を超えて

高橋: さて、そんな具合でイヤピにこだわりまくっている皆さんですが、これまでに特にイヤピ選びに苦労したイヤホンってあったりしますか?

だいせんせい: Sennheiser「IE 800」ですかね。これ、イヤーピース側にもプラスチックのパーツが仕込まれていて、そのパーツとノズル先端が合わさってイヤーピースをがっちり固定するという構造なんですよ。

高橋: 装着中にイヤーピースが外れて耳の中に残ってしまうということを無くすためのアイディアだとは思いますが、その代わりに一般的なイヤーピースとの互換性がない……

だいせんせい: 僕の耳にはその付属イヤーピースが合わなくて……でも本当にIE 800は好きなのでどうにかもっとフィットさせたくて、純正イヤーピースからそのロックパーツだけを摘出して他のイヤピに移植しました……少し申し訳ない気はしたのですが……

成藤: 止むを得ない……僕はこれ、日本での正規代理店販売が始まる前に個人で海外から購入したイヤなんですけど、

高橋: あ、はい……

成藤: これが「ノズル太くて短い!ハウジングでかい!」というフィットしにくいイヤホンの典型で……でも音のポテンシャルは感じられたのでどうにかしたいと、この止水パッキン、Oリングでノズルに段差をつけてイヤーピースの固定位置をずらしたりして、何とかフィットさせようとしたり、しましたね……

高橋: 自分はけっこう最近の製品ですけど、Astell&Kern「AK T8iE MkII」。標準のいわゆる「ダース・ベイダー」イヤーピースが、合う人にはすごくフィットして超快適らしいんですけど、僕には合わなくて。でもイヤピをスパイラルドットにしたら装着感はもちろん、音もさらにすごく僕の好みにフィットしたんですよ。僕の中での「イヤピで装着感も音も激変した経験第1位」というか。現在はプラプラに交換してさらにフィットしています。

だいせんせい: みんなそれぞれ苦労させられたイヤホンがあるんですね……

成藤: このイヤホン何やってもダメだ……からの、これだ!このイヤピだ!という成功体験があってこそマニアが生まれる。

だいせんせい: あれは僕がまだe☆イヤホンで働き始める前、北海道で暮らす学生だった頃のことでした……札幌から遠出してきて、秋葉原のe☆イヤホンでSpinFitを買ったんですよね……

高橋: 今度は遠い目にふさわしい回想シーンっぽいぞ……

だいせんせい: でもそれをSennheiser「IE 80」に付けてみたら期待してたほどじゃなくて、「イヤピース交換なんてやってみたら大したことないな」って思ったんです。でもふと思いついて、そのSpinFitにMonster「SuperTips」付属の軸径変換アダプタをかまして、Klipsch「X10」に付けてみたんですよ……メチャクチャよかった。

あるイヤーピースがあるイヤホンには合わなくても、他のイヤホンには合いまくることもある。それに気づいてしまったとき、ゾッとしましたね。「自分はこれからの人生、この無限の組み合わせを試し続けていくのか……」と。あれから何年経ったのかな?そうして僕は今日もイヤピを交換し続けているんです……そしてこれからも、ずっと……

高橋: や、それ、人におすすめしちゃだめなタイプの趣味じゃないですか……



高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。

高橋 敦

最終更新:6/17(月) 15:10
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